「スキナーの昇給」のストーリー

ウィリアム・ヘンリイ・スキンナーは妻から尊敬されたい余りに自分は社会で重大な仕事をうけもっているのだと嘘をついてしまった。何も知らない妻は彼の言葉を信じ昇給して貰うことをすすめた。彼は社長のマクラフリンに昇給を掛け合ったが見事に突ばねられた。意気消沈して家へ帰ってみると気の早い妻はもう昇給した積もりで母親に電話をかけている。妻の気を挫くのも哀れに思ったスキンナーは思い通り給料が上ったと告げたため妻は喜んで種々な物を買い揃えた。その中には夜会服も非と揃い入っていた。スキンナーは弱ったが今更打ち明ける事も出来ない。夜会服を着たスキンナーは妻をつれて慈善バザーへゆく。ところがバザーのオーケストラや競売のやり方が間が抜けているため来会者もさっぱり気乗りがしない。スキンナーは妻の計らいでこの競売とオーケストラを引受け巧みに指導したのでバザーは活気を呈した。スキンナーの腕はジャクソンという実業家から認められていた。このジャクソンというのはスキンナーの会社を自分の会社と併合したいと望んでいる男であり、自分の方には相手の会社の存在を危うくさせる程の力をもった特許権があると自負している男であった。所が一夜実業家の集まるカントリー・クラブでポーカーをやった際、ジャクスンがスキンナーにポーカーの秘訣も商談の秘訣もブラフにあると話したのを聞いて早合点したスキンナーは社長マクラフリンのもとへ飛んで行ってジャクスンの特許権云々はブラフであるから合同は中止したがよかろうと提言した。だがスキンナーの考えとはまるで反対にジャクスンには立派な特許権があったため彼の得意な鼻もペシャンコとなってしまった。しかし彼の果敢さと大胆さを認めたジャックスンは合同会社が成立した暁スキンナーを重役にすると誓った。