「地獄の道連れ」のストーリー

貨客船クレア・ルイス号は、現地政情不安という無電により目的地をホンジュラスからニカラガに変更した。ホンジュラスの革命軍プリエト将軍に軍資金を渡す任務をもつ米人船客ジム・コルベット(グレン・フォード)は、航路変更を抗議したがいれられず、深夜、船艙に監禁されていた5人の死刑囚を味方につけて助け出し、船を制圧した。そして高級船客ハリー・シェッパード(ザカリー・スコット)を人質に、夫と離れようとしない寝間着のままの彼の新婚の妻シルヴィア(アン・シェリンダ)をつれて、5人の囚人と共に海岸に船を近づけ、人跡未踏のジャングルに入った。こうしてジムをリーダーに8人の密林行がはじまった。首領ライエス以下の囚人は薄衣1枚のシルヴィアに欲情を燃やしたが、ジムは一同に鉄の規律を以てのぞんだ。ピューマ、ワニ、ピラニア等の脅威にたえて進む川をつたってのボートの困難な旅行は、上流人士ハリーの仮面をはぎとった。彼は囚人たちに猜疑心をふきこみ、ボートは彼等の1人に盗まれて、一行は陸を行くことになった。シルヴィアの心はジムにかたむいていった。独裁政府はジム上陸の報に、追求の手をのばしてきたが、一同はハリケーンに乗じて難を逃れた。やがて人里近くなった頃、さしものジムもマラリヤに倒れた。囚人達は彼を殺そうとしたが、シルヴィアは、彼が腹帯にまいていた軍資金を与えてジムの命を救った。意識を回復したジムは、自分の使命をシルヴィアにうちあけ、近くのインディアン集落で酒に酔っている囚人たちにたち向かい、遂にライエスをはじめとする彼等を倒して軍資金をとり返した。しかしこの戦いで、良心にめざめてジムにしたがったハリーは、射殺された。おりからプリエト将軍の軍隊が集落にやってきた。ジムは、再会を約してシルヴィアを港に護送する手筈をととのえてから、自らも軍隊とともに戦場に向かって出発していった。