「真珠と未亡人」のストーリー

大西洋定期船が英国に向かって航行中の第一日目に、ケルトン卿が自分の船室へ入ると見知らぬ美人が眠っていた。彼女は未亡人フェイ・チェイニイで部屋を間違えていたのである。卿はフェイを仲間の者に紹介した。ウィリイとその妻キテイ、彼女の従弟と称しいつも一緒にいるジョン、若い貴族アーサー等である。アーサーはフェイを一目見るとたちまち心を奪われてしまった。ロンドンに家を借りたフェイは一同を招待した。アーサーの叔母で年老いた公爵夫人も彼女を大層好きになって、週末には自宅へ彼女を招いた。アーサーもケルトンもその他の人たちと一緒に招かれた。フェイ・チェイニイ夫人とはしかし世を忍ぶ名で、実は彼女の従僕を装っているチャールズを頭とする宝石泥棒団の一味だった。彼女は公爵夫人の有名な真珠を盗るために機会を待っていたのである。貴族たちと親密になるにつれフェイは犯行を躊躇したが、愛人チャールズのために決意せねばならなかった。彼女を本当の未亡人と信じているケルトン卿とアーサーは彼女に求愛した。二人の求婚を退けたフェイはついに真夜中、真珠の頸飾を盗んだ。しかしその時彼女を諦め切れぬアーサーが部屋へ忍び込んだので、フェイは窓下に待っているチャールズに頸飾を投げようとする瞬間彼に捕らえられた。彼は事件を明るみに出さぬことを条件に彼女に言い寄ったが、フェイは憤然として家人を起こしたのでついにチャールズ諸共、翌朝警察へ渡されることになった。ケルトンは彼女に求婚した時一同の行状を暴露した手紙を彼女に渡してあった。皆は醜聞が公開されるのを恐れ手紙を買い取ろうとした。チャールズとフェイは巧に一万ポンドの小切手を得たが彼女は手紙も小切手も破り棄てた。貴族たちは旅費を与えて米国へ帰ってもらうことを望んだが、チャールズはフェイに別れを告げ一人で世界漫遊をするからと言い、秘かに警察へ自首した。フェイの気質に惚れ込んだアーサーは再び彼女に結婚を申込み、こうしてチェニイ夫人は新しい生涯を始めることになった。

今日は映画何の日?

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