「三国志」のストーリー

絶え間ない争いによって国家が分断されていた戦乱の中国。貧しい村に生まれた趙雲(アンディ・ラウ)は、祖国統一の夢を抱き、同じ志を持つ平安(サモ・ハン)と共に、蜀の君主、劉備(ユエ・ホア)に仕える。ある日、突如、軍に参加した孔明(プー・ツンシン)の助言によって曹操(ダミアン・ラウ)の軍に奇襲をかけ、その戦いで趙雲は平安の命を救い、敵の前衛隊長を討ち取った。趙雲は全ての功績を平安の手柄にし、平安は劉備一族の警護という重要な仕事を任されることとなる。西暦208年。劉備軍が魏の最高権力者、曹操率いる10万の兵に攻め込まれ、敵の追跡から逃れる中、平安は劉備の夫人と子供を見失ってしまう。劉備の兄弟分、関羽(ティ・ロン)と張飛(チェン・ツィ・ホイ)は激怒し彼を殺そうとするが、趙雲は友を守るため上官たちと対峙。その場で凄まじい槍の腕前を見せつけた趙雲は、一人で夫人らの救出に向かい、何万という曹操軍の中を突破し、無事に嫡子を擁して劉備の元に帰参、しかも曹操の剣まで奪ってくる。圧倒的強さを見せ付けられた曹操の孫、曹嬰(マギー・Q)は、彼の顔を記憶に焼き付けていた。趙雲はその勇気と武勇によって蜀の五虎大将軍の一人となり、その後20年にわたって蜀を守り続け“無敗の将軍”という異名を持つほどになっていた。しかし、荒れ狂う争いの中、彼の仲間も劉備さえも命を落としていく。劉備の息子が蜀の国を継ぐが、孔明がその若い君主を補佐していた。じわじわと領土が制圧されていくことを懸念した孔明は、最後の魏征討を決意。既に若くはない趙雲だったが、いまだ果たせぬ祖国統一の夢を胸に、若き武将、関興(ヴァネス・ウー)やとう芝(アンディ・オン)らを率いて出陣する。しかし、趙雲は思いもよらぬ裏切りに遭い、若く優秀な武将たちが次々と戦死してしまう。平安が打ち鳴らす太鼓の音を背に、趙雲は因縁の曹嬰率いる数万の敵軍へと単騎で突き進んでいくのだった……。