「BOYS LOVE 劇場版」のストーリー

蒼井(小谷嘉一)は財力のある生徒が集まる全国的に有名な全寮制高校の教師。ある夜、恋人に振られたばかりの彼は、偶然出会った少年に慰めを求めてしまう。数日後、蒼井のクラスにやって来た転校生・天上(菅野篤海)は、その少年だった。秘密を共有する二人だが、蒼井は一度の過ちとして天上に対し冷たく接する。天上は寮で同室となった水木(川久保雄基)と意気投合していく。今までクラスでも目立たなかった水木は、スポーツ・学力に秀でた天上に興味を持つ生徒たちから質問を浴びせられ、次第に他の生徒とも交流が広がっていた。学院の権力者である花園(谷和憲)はそんな水木と天上を面白く思わなかった。花園と水木は幼少からの幼馴染であり、花園にとって水木はいじめの対象でもあった。そうした中、天上は水木に誘われ蒼井が顧問を務める海洋生命進化論研究部に入部する。蒼井は携帯電話に連絡するなど徐々に近づく天上の存在を目障りに感じていたある日の授業中、彼らのクラスで着信音が鳴り響いた。天上に詰め寄る蒼井だが、携帯電話を持っていたのは別の生徒だった。天上の携帯電話から自分との関係が露見することを恐れる蒼井は、何とかして没収しようと躍起になっていた。水木は蒼井に対し友情とは別の感情を抱き始めており、天上はそんな水木と距離を取る。不器用な二人は深まる溝を埋めることができず、あることをきっかけに関係が修復できなくなる。一方、蒼井はいつしか天上からの連絡を待ち望むようになっていた。彼は複雑な家庭環境により心を閉ざしていた天上の繊細な気持ちを知りいとおしく思っていた。複雑に絡み合い、交わることのないそれぞれの気持ちが、やがて悲しい結末を迎える。そして蒼井と天上は新たな一歩を踏み出した。