「マグナム・フォト 世界を変える写真家たち」のストーリー

1947年、ロバート・キャパが発案し、アンリ・カルティエ=ブレッソン、ジョージ・ロジャー、デビッド・“シム”・シーモアらがニューヨークで創設した写真家集団“マグナム・フォト”。彼らは創造的な集団として、世界の動向をあらゆる角度から活写し、歴史の変革、転換を露わにしてきた。現在のマグナムを率いる中心会員が過去を振り返る。1980年から5年間マグナムの会長を務めたフィリップ・ジョーンズ=グリフィスは「マグナム・フォトは良くも悪くも、信念を持つ人々が集まった結果だ」と語る。マグナムの会員になるのが極めて困難であったため、マーティン・パーが1994年に正会員になるまでにはかなりの時間を要した。他の会員たちが彼の参加に反対して、何度も会議にかけられては落とされたという。「マグナムという団体に属している、と言うと誰もが驚く」と語るのは、数少ない女性メンバーのひとり、イヴ・アーノルド。「マグナムの会員になることは名誉であり誇りであると同時に、責任とプレッシャーを感じる」と発言する者もいる。しかしながら雑誌と新聞の全盛期は過ぎ、映像の氾濫する時代が訪れる。1998年6月、ニューヨークでのマグナム年次総会では「生き残るためには個性ある人材が必要だ」という意見が出るなか、新会員を選ぶ審査が行われた。1965年にマグナム正会員となったコスタ・マノスは言う。「将来、私たちが必要とする写真家は、最先端の仕事をする人だ」。そして若手の撮影現場では、今も様々なスタイルや考え方によって“マグナム・フォト”の意志が未来へと受け継がれようとしている。