「ナルコ」のストーリー

主人公ギュス(ギョーム・カネ)はどこでも発作的に眠ってしまう“ナルコレプシー”を抱えて育ってきた男。その為、幼い頃から学校や周囲に理解されず、青春時代は女の子に馬鹿にされ続けてきた。しかし彼は運命的な女性パム(ザブー・ブライトマン)と出会う。彼女と幸せな結婚生活を送るはずだったが、いつまでも定職に就けないギュスに、次第に不満を募らせるパム。そんなある日、ギュスはこの状況を打開するひとつのアイデアに辿り着く。昔から絵を描くことが得意だった彼は、自分が眠っている間に見た夢をコミックに描くことを思いつく。彼はようやく自分の“道”を見つけ、愛する家族と親友のため、そして何より自分自身のため、夢中になってコミックを描くのだった。ところがギュスの熱意に理解を示さないパムは、彼に精神科医ププキン(ギョーム・ガリエンヌ)の集団心療セラピーに通うように勧める。しぶしぶセラピーに通い始めるギュスだったが、そこで自分の見た夢の話は、人々に喜びや驚きを与えることを知り、これまでにない手応えを感じるのだった。また誰よりも彼の話に魅了されたププキンは、彼の驚くべき才能にも気付き始めていた。ププキンはその昔漫画家を志し、夢破れた過去を持っていたのだ。数日後、ギュスは不審な車に激突され、昏睡状態に陥ってしまう。絶望に打ち拉がれるパム。ところがその寂しさから、ギュスの親友である空手狂のレニー(ブノワ・ポールヴールド)と恋仲になってしまう。またププキンは無断でギュスのコミックを出版社に売り込んでいた。数年後、ギュスのコミックが発売される。コミックはたちまち大ヒットを記録。しかし台詞も作者の名前も書き換えられて、それはギュスのものではなくなっていた。皆がそれぞれ新しい生活を始めていたそんな時、昏睡状態だったギュスが奇跡的に目を覚ますが……。