「三罪人」のストーリー

ゲルダはドイツドレスデンに住むヘルムート・ヴァレンティン伯爵の息子ディートリッヒの妻として既に一人の子供もあり、なんといって不足のない生活を送っていた。けれども彼女には満たされぬものがあった。良人ディートリッヒは名誉欲にとらわれていて常にヒルダ・ブリングス男爵夫人と接近し、ヒルダを通じて政府筋に何等かの地位を得ようと努めていた。従ってディートリッヒはヒルダとの交際のために家庭を顧みないようになった。そしてある時彼は総理大臣に会うということを口実にして、ゲルダを一時オーストリアのウィーンにいる妹の許へ赴かしめた。ところがゲルダが乗り込んだ列車は鉄橋から墜落して多くの死傷者を出した。ゲルダも死亡者として新聞紙に報道だれたが、彼女は途中下車をして知合いの音楽家のスタニスラウ・ベルンの家に泊まっていたので、今更自分が生きていたことを良人や世間に対して発表することが出来ない破目となった。やむを得ずゲルダは名を変えて別の女として後半生を送ることを決心した。かくて彼女は鬘を用いシェルディンスキ夫人として偽名してパリに現れ、娯楽場を経営することとなった。彼女の美貌はパリ紳士間の噂の種となり、中でも米国人ジェームズ・ハリスと彼女の以前の良人たるディートリッヒは彼女を愛することあつかったが、ディートリッヒよりもハリスの方が真面目にかつ深く彼女を愛していることが明白になったので、彼女はハリス夫人たるべく渡米することになった。

今日は映画何の日?

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