「サロメの心」のストーリー

パリに豪壮な邸宅を構え巨万の富を擁しその名神会に普く知られているボリス・ザンコ伯爵は、実は稀代の悪漢で、エレーヌという美しい乙女を手先きにして悪事を続けていた。が、エレーヌは現在の厭しい主活を嫌い、それを逃れて巳れが故郷へ帰り、田園の生活を楽しんだ。そこで彼女はアメリカの技師モンテ・カロルと知り合いになり恋に陥る。しかしやがてエレーヌはザンコの招きによってパリに戻るとザンコは彼女にあるアメリカの技師が画家に託してある油田の地図を盗めと命じた。ヘレーヌは云われる侭に地図を奪ったが、後になってそのれがカロルのものであるのを知って驚いた。そしてカロルへの許しを乞うたが彼は断然それを拒絶した。斯くてエレーヌの心は夜叉に変じ、サロメの如くになり、ザンコと結婚する条件で、カロルの命を要求する。ザンコはカロルをパリ近傍の古城に幽閉して命を奪おうとした。が、その時エレーヌの心に目醒めが来た。そして真の愛に立返り、カロルを救った。2人は而して新らしい生活へとはいった。