「アイランド(2005)」のストーリー

21世紀の前半、近未来。海に浮かぶ緑豊かな島、憧れの地“アイランド”を目の前に、海へ引きずりこまれてしまういつもの悪夢…。しかし、夢から覚めたリンカーン(ユアン・マクレガー)を待っていたのは、普段と変わらない1日だった。壁のスクリーンに映し出される健康アドバイス、管理の行き届いた食事、そして、女性用の住居棟で暮らすジョーダン(スカーレット・ヨハンソン)との、心はずむ会話。数百名の住人と共に彼らが住むその閉鎖的な施設は、厳重な管理下に置かれ、住人たちの日常は常に監視されている。だが、それも住人たちの安全を考えてのことらしい。大気汚染から救い出され、このコミュニティで暮らし始めてもう3年。安全で快適だけれども、退屈な日々。ここで暮らす人々の夢は、地上最後の楽園“アイランド”へ行くことだった。その島は放射能汚染を逃れた地上唯一の楽園で、人類は地球規模の環境破壊によって、すでに死に絶えてしまっているらしい。彼ら施設の住人を除いては。日々行われる抽選会が、彼らの最大の関心ごとだった。しかし、リンカーンはある日、換気口から入ってきた一匹の蛾を発見して、ある疑問を抱く。外の空気は汚染されているはずではなかったか? そして施設内を探索するうちに、恐るべき真実を目撃する。彼らは、保険契約を結んだクライアントに臓器を提供するためだけに生産された“クローン”であり、「アイランド行き」とは、すなわち臓器摘出の死刑宣告だったのだ。そして次の当選者に決まったのは、なんとジョーダンだった! リンカーンとジョーダンは、生きるための脱出を試みる。初めての外の世界へ逃れ出たふたりは、監視の目から解放され、いつしか友情以上の関係を育んでいく。だが、彼らを施設から派遣された追っ手が執拗に追跡する。