「殺人鯨ナム」のストーリー

動物学者ハンク・ドナー(ロバート・ランシング)は太平洋特産のコクジラの研究のため、ディークを助手にランチを走らせていた。その時漁師のジョー(ジョン・アンダーソン)とバートが8メートル余りのシャチを射つ銃声を聞いた。ジョーとバートが雌雄2匹のシャチを入江に追いこみ射止めようとするのを見て、ハンクは、そこは私が借りている入江だからシャチは私のものだと主張し、捕えることに成功した。そしてシャチの生態の研究にとりかかった。近所に住む9歳になる少女リーザ(ロビン・マットソン)は父親が潜水中に死んだことが原因で、暗やみ恐怖症にかかっていた。ハンクはリーザの恐れを直そうとシャチに親しませようとした。そしてふたりは伝説にある海の怪物の名をとってシャチにナムという名をつけた。ナムは最初与えられるエサのサケを食べようとしなかったが、ある日リーザがナムの名を呼ぶと浮きあがって来て、初めて人間の与えた餌を食べた。翌朝ハンクは潜水着で網の中に入った。するとナムは側に来て体をすり寄せふざけるのだった。リーザは大喜びのあまり泣く始末。それを契機のようにリーザの病気が回復を見せた。やがてサケが北上してくる季節が訪れると、漁師たちは、ナムが網を破って逃げサケを襲うだろうから射殺しようと考えた。そこでハンクは潜ってナムを安全なことを村の皆に実証してみせた。ところが、ジョーはナムを撃ってきた。仕方なくハンクがナムを網から出してやると、ナムはジョーに攻撃を加え、海に落した。しかしそれ以上のことはせず、逆に無意識のジョーを助けた。外海に向かって泳ぐナムの側にいつの間にか雌のシャチが寄り添っていた。