「ガールフレンド:ストラトス」のストーリー

大きな工場がある町に暮らす天涯孤独の女性・町子(長曽我部蓉子)は、コインロッカー・ベイビーという過酷な生い立ちを持っていた。自分は親に捨てられた、という思いがしこりのように町子の中にあり、他人に心を開くことができない。誰も頼れない、自分しかいない。だから、誰よりも強くならなければ……。町子は独学でカンフーを修得し、今では達人の域に達していた。ある日、友人タカノリの告白現場に町子は遭遇する。タカノリに凛と交際を断る女性、真里(山咲小春)を一目見た途端、町子は運命的なものを強く感じてしまう。町にやってきてまだ日が浅い真里もまた、誰にも言えない傷を胸に抱えていた。町子は真里に、まだ見たことのない母親の姿をだぶらせ、恋心を抱く。生まれて初めての恋に戸惑い、真里に対して空回りな行動ばかりしてしまう町子は、ある日バイト先のバーにやってきた変態カップルに酔いつぶされて、あやうく襲われそうになる。からくも逃げ出したものの、またもや人間不信に陥りそうになる町子を、オーナーのパパママ(田中要次)が温かい心で包み込む。パパママに町子は言う。「私は赤ちゃんのとき、大井町駅のコインロッカーで見つけられたの。だから名前も<大井町子>。ついでで生まれてきたような人間でしょ。こんな私が、人並みに幸せになれるのかな…」。パパママは町子に答える。「あんたは誰よりも幸せになるために、生まれてきたのよ」。何度目かの電話で町子は真里とデートの約束を取り付けるが、彼女には恋人がいることを知らされる。しかしその男、城丸(川崎賢一)は街のチンピラたちと関係があり、真里がいながらも女たちを喰いものにしていた。真里のことを今でも想っているタカノリは城丸の正体を知り、単身チンピララたちのもとに殴り込むが、反対にぼこぼこに袋だたきにされ、河川岸まで拉致されてしまう。それを目撃したパパママから連絡を受けた町子は、タカノリを助けるため、河川に走る。友人のため、そして恋する真里のために……。