「この三人」のストーリー

カレンとマーサは大学を卒業したが、同じく寄る辺ない身とてすぐにも働かねばならない。2人はカレンの祖母の遺していった田舎の邸宅へ行く。この邸宅は荒廃していたが近所の青年医師ジョー・カーディンが2人を励ましてここに学校を立てる。カレンの祖母の知り合いのティルフォード夫人の孫娘メアリーを始め幾人かの生徒ができて2人はやっと生活の道にありついた。ジョーはカレンを恋しカレンもジョーを恋し2人は婚約する。マーサとてジョーを恋していたのだが、彼女は想いを秘めてしまう。しかし、この学校にも厄介者がいた。それはマーサにいつもたかっている彼女の叔母で旅廻り女優のモーター夫人という無責任な女がそれで、モーターは図々しくもこの学校に入り込んで先生となっている。それにメアリーというのが、子供に似合わぬ恐ろしい考えをもつ、ひねくれた嘘つきの娘だった。マーサがついに堪えかねてモーターに学校のためにならぬから出ていってくれと切り出したときに、モーターはジョーとマーサとに何か不倫な関係があるのかのように曲言してごねた。この会話がメアリーの耳に入った。メアリーはカレンから罰せられたのを恨みその復讐にこの話を大げさにして祖母に話した。それにメアリーは同じ生徒のロザリーの弱みを握って彼女を利用して己の意のままに証言させた。ティルフォード夫人の発案で親たちは、そんなふしだらな学校には子供たちを預けられぬという訳で、子供たちを皆退学させる。学校が潰れて生活の資を奪われ、その上に恥辱の濡れ衣を着せられたマーサ、カレン、ジョーの3人はティルフォード夫人を名誉毀損で訴えたがかえって敗訴となり、ジョーも病院から解雇された。ジョーはカレンに共にウィーンに行こうというが、カレンは彼とマーサとの噂を心では疑っていたので、それを断る。その後、マーサはモーターからメアリーとロザリーの話を聞き、ロザリーと共にティルフォード夫人を訪ねて、メアリーの嘘偽をあばく。そしてまた、カレンの心の疑いも解いて、自分だけは身を退いて立ち去っていく。疑い晴れたカレンはウィーンへ、先に立っていったジョーの後を追うこととなる。