「湖愁(1965)」のストーリー

聡明で貞淑、しかも美人の賢夫人として知られるモイラ(モーリン・オハラ)が、どうして恋におちたか誰も信じられなかった。相手はイタリアの作曲家ロレンツォ(ロッサノ・ブラッツィ)。彼とてその理由は説明できなかったが2人ははじめて逢った途端、モイラにとっては夫ダレル(リチャード・トッド)とマイケル、デビーの2人の子供が、ロレンツォにとっては亡妻の面影と娘ドンナが、忘却の彼方へ消えてしまったのだ。2人の間がどうにもならない状態にきていると感じたダレルは、妻とその恋人をイタリアに行かせることにし、残された子供には自分の口から事情を説明した。2人の恋人はロレンツォの別荘、フィオリタ荘で、陶酔の日々を送った。そこへ、母をとりかえそうとマイケルとデビーがロンドンからやってきた。ロレンツォの娘ドンナも父によばれてきたが、親を許せない3人の子供たちは共同戦線をはることになった。まずデビーとドンナはハンストで反抗した。だが空腹のドンナは、マイケルにキスの仕方を教えることでパンを交換、デビーとの誓いを破ってしまった。反抗の第一歩は失敗。だが第2弾として今度はマイケルとドンナは嵐の湖へヨットを出し行方をくらました。当然のこととしてヨットは沈没し、けがをしたすえ、2人は救助された。敷かし、子を思う親の気持ちは、いつしか恋人たちの恋の炎を消してしまった。そしてすべてに終止符がうたれ、モイラは子供たちとロンドンへ、ロレンツォはドンナとイタリアに残った。