「リリイ・シュシュのすべて」のストーリー

カリスマ的アーティスト・リリイ・シュシュに心酔する中学2年の雄一。学校でイジメを受けている彼は、自らが主宰するリリイのファンサイトリリフィアの中で交わす、青猫というハンドルネームのリリイ・ファンとのチャットに心癒されていた。雄一をイジメているのは、星野という同級生。1年の頃は、剣道部の部員として仲の良かったふたりだが、夏休みに仲間と出かけた沖縄旅行を経た新学期、星野は突然豹変した。クラスの悪ガキを倒し、飯田と辻井を子分に従え、雄一に万引きなどで得た金を上納させるようになったのだ。星野のイジメの対象は雄一だけに留まらない。詩織もまた星野の命令で援助交際させられ、そのあがりを星野に渡していた。更に、雄一が秘かに心寄せる陽子もまた、彼女を嫌う女子同級生の企みで星野一派にレイプされてしまう。12月8日、リリイのライヴが代々木で開かれることになった。チケットをゲットした雄一は、青猫と会う約束をして会場へ向かう。ところが、そこにいたのは星野。雄一がリリフィアの管理人であることに気づいていない彼は、雄一のチケットを奪うとひとりでライヴを楽しんだ。会場に入ることの出来なかった雄一は、ライヴ終演後の雑踏の中、どさくさに紛れて星野を刺し殺す。そして2001年、15歳になった雄一は淡々とした日々を送っている。