「花火降る夏」のストーリー

香港。1997年3月。中国返還を目前に英国軍香港駐屯部隊が解散。元軍曹ガーイン(トニー・ホー)は、再就職の道もないまま、やくざ者の13歳年下の弟シュン(サム・リー)の手引きで黒社会の親分ウィンに会い、ようやく運転手の仕事にありついた。元部下4人組とつるむうち、冗談から銀行強盗の計画が持ち上がる。準備のため訓練を重ね、いざ決行の日、思わぬトラブルが。先に入った強盗と鉢合わせしたのだ。襲撃を手引きした部下のボビーは殺されたが、強盗のひとりはかねてシュンが探していたウィンの行方知れずになっていた娘ジェーン(ジョー・クーク)と分かった。ガーインは彼女が仲間と盗んだ700万ドルと引き換えに彼女を逃がすが、これで互いに面が割れた。ウィンの面子を潰したということで兄弟はリンチにあい、ジェーンも傷を負った。ガーインとジェーンはこれがきっかけで打ち解けていく。ガーインは組から足を洗おうとするが金の横取りを企むウィンは引き留める。ジェーンが母親と英国へ去った後の6月30日、返還式典の日。兄弟の家は家宅捜索され、身の危険を感じたシュンは金を持って逃走し、電話でガーインを誘うが、彼は仲間を裏切れないと断る。式典後、シュンも彼を見張っていた部下のジッパーの姿も消えた。盗んだ金は水の泡と消えたが、ガーインはボビーを殺したチンピラを探して、町をさまようのだった。