「あの、夏の日 とんでろ じいちゃん」のストーリー

ボケ気味のおじいちゃん(小林桂樹)を監視する為、夏休みの間、忙しい両親や受験生の姉の代わりにひとり尾道を訪れた小学校5年生の由太(厚木拓郎)。だけど、おじいちゃんと一緒の夏休みは不思議なことがいっぱいで、監視どころじゃない。おじいちゃんが唱える「マキマキマキマキ巻ましょう マキマキ巻いたら夢の中」という謎の呪文で隣の島へ空を飛んで渡ったり、ホラタコの多吉(小磯勝弥)という気味の悪い子供と出会ったり、由太が子供の頃のおじいちゃんやパパに間違われたり。実は、由太はおじいちゃんと一緒におじいちゃんが子供だった時代へタイムスリップしていたのだ。それから数日後、由太はミカリ(勝野雅奈恵)という少女と海で出会い、彼女の家である長恵寺に遊びに出かけた。そこには、小指のない弥勒様や「開かずの間」があり、その開かずの間にはおじいちゃんが時々口ずさむ歌のレコードがあった。それは、ずっと昔に開かずの間で死んだお玉さん(宮崎あおい)という少女が好きだった曲なのだそうだ。その話を聞いた由太は、お玉さんとおじいちゃんがどこかで繋がっているのではと考えるようになる。そして、おじいちゃんとふたり、再び呪文を唱えて過去の世界へ飛ぶのだった…。お玉さんは、おじいちゃんの初恋の人であった。しかし、彼女は肺病を患っていて、おじいちゃんは彼女に気持ちを伝えられないまま、彼女と死に別れていたのである。ところで、おじいちゃんはお玉さんの死期を早めたのは自分の責任だとずっと心を悩ませていた。お玉さんに玉虫をとってあげようとして弥勒様の小指を折ってしまい、その罰が当たったのだと思っていたのだ。しかし、真相は違っていた。小指を折ったのは実は多吉で、彼はその罪をおじいちゃんになすりつけていたことが判明する。気持ちが晴れ、すっかり安心したおじいちゃんと元の世界へ帰ってきた由太。その日、長恵寺から弥勒様の指が見つかったと電話が入った。おじいちゃんが倒れたのは、それからすぐのことだった。由太の看病も空しく、おじいちゃんはこの世を去る。長恵寺で営まれた葬儀は、それは立派なものだった。秋になって、東京へ帰った由太。彼は、時々おじいちゃんが空を飛んでいる姿を見る。

今日は映画何の日?

注目記事