「π パイ」のストーリー

マックス・コーエン(ショーン・ガレット)は天才的な数学能力をもち、オリジナルのスーパーコンピューターで数字の研究を続けていた。ある時、マックスは世の中のすべての物事は一つの数式によって解析できるのではないか、という考えにとりつかれる。その数式を探り当てれば、株式市場の予想も容易になる。ある日、マックスはユダヤ教のカバラ主義者、レニー(ベン・シェンクマン)にモーセ五書が「神から送られた数の暗号」であることを聞く。マックスはこの話を自分の研究に関連づける。友人のソル(マーク・マーゴリス)は以前「π」の研究をしていたが、なにかを恐れて研究を中断していた。ソルは数字にのめりこむな、とマックスにアドバイスする。しかし、マックスは研究に没頭。コンピュータがクラッシュする寸前に吐き出した長い数字が、その神秘の数字ではないかと思い至る。同時に、マックスの頭痛と奇妙な妄想はひどくなっていく。ある日、彼は株仲買人たちに拉致されそうになる。そこへレニーが現れ、マックスを助け出す。カバラ主義者の集まりにつれていかれたマックスは、ラビに神秘の数字を教えるよう迫られる。株の動向も、神の言葉も、すべては216桁の数字で表わせることをマックスはつきとめていたのだ。しかし、数字自体にはなんの意味もないことを悟り、ようやく彼は自由になる。公園のベンチにぼんやりと座るマックス。数学を捨てた彼は、ようやく心の平安を得た。

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