「彼女たちの関係」のストーリー

パリ。新進アーティストのアリス(アンヌ・パリロー)は、パトロンを得て、恋人でプロボクサーをめざすフランク(パトリック・オリニャック)との同居生活も始めて、公私共に充実した日々。ところが、ある雨の夜。姉エルザ(ベアトリス・ダル)が戸口に。退屈な夫との生活から抜け出してきたのだという美しい人妻の彼女を迎えての同居生活がはじまる。わがまま放題でわがもの顔で部屋に居座るエルザにフランクは怒るが、アリスはなぜか何も言わない。ある夜。エルザはアリスとフランクの寝室を覗いていた。エルザの妹アリスに対する態度には異常なものがある。エルザはアリスのアトリエで、彼女の作品を見つけ、「あなたはいつも私の真似ばかりしていたわ」とつぶやく。かつて美しく芸術的才能にも恵まれたエルザは、アリスに芸術の手法も教えたのだった。アリスはそんなエルザに少女時代からコンプレックスがあり、やがて仕事も自信をなくし、精神も不安定に。エルザはさり気なく、フランクを誘惑もする。夫の浮気と育児に疲れた今のエルザは、立場はアリスと逆転しており、嫉妬があるようだ。アリスを愛しながらも、エルザにも抗しがたくひかれていたフランクは、二人の関係を疑い始める。6日6晩経った。「彼女をどうして追い出さない?」詰め寄るフランクに、アリスは告白。「わけがあるの。私たちは姉妹じゃないわ。私たちは愛し合っていたの。でも私にはそれは過去のこと。でも、エルザはそうじゃないの」錯乱したアリスは縛りつけられた。フランクは二人の関係に確信が持てない。それはエルザを抱いても同じだった。アリスは刃物をふりかざしエルザを襲うが、結局二人は彼の前で抱き合った。フランクは姉妹から去り、アリスもニューヨークへ赴き新生活に入った。だが、ある日アリスの部屋のドアの下にエルザからのメッセージが…。