「悪魔の弟子」のストーリー

1777年、新大陸。独立戦争はたけなわだった。バーゴイン将軍(ローレンス・オリヴィエ)のひきいる新しい英軍がカナダから南下した。将軍は紳士で、この任務に気乗り薄だったが、副官のスウィンドン少佐は決意が固かった。ニューハンプシャーのスプリング・タウンで反民の見せしめとして村長ダッジョンを絞首台に送らせたのだ。牧師のアンソニー(バート・ランカスター)がダッジョンの次男クリスティとかけつけた時は遅かった。牧師は死体の埋葬を申し込むが、はねられた。その夜、死体を墓地に移したのは長男リチャード(カーク・ダグラス)だった。彼は牧師の無策をののしった。無法な男で、“悪魔の使徒”と村人からきらわれていた。牧師の妻ジュディスはとくにきらった。秘密裡に埋葬が終ったあと弁護士は親類一同の前で遺書を発表した。予想を裏切り、ほとんどの財産はリチャードに残されていた。埋葬を知った少佐は激怒し、処刑を決心した。牧師は犠牲者をリチャードと直感し、彼を牧師館に招いた。牧師がダッジョン未亡人のりん終に立ち会った間、リチャードと妻が残った。ジュディスは逆に彼にひかれた。英兵が乱入してきた。牧師を逮捕するために。リチャードは牧師と名乗って連行された。夫に知らせると、牧師は馬で反対の方向へ逃げた。妻は失望し、リチャードの獄舎をたずね、愛を告白した。リチャードは自分の気まぐれだとうそぶいた。裁判で、彼は少佐や将軍を相手にまくしたてたが、絞首刑を宣告された。ジュディスは溜かね、人違いを申し立てたが、むだだった。――アンソニーは逃げたのではなかった。そのまま独立義勇軍に加わったのだ。戦闘での彼の活躍は見事で、英軍は総くずれになった。将軍は敗北を認め、リチャードの処刑は断念された。ジュディスの夫への信頼と愛はよみがえった。