「激流恋をのせて」のストーリー

名にし負う森林と渓谷の大自然境カナダ。以前からこの地方に土着していたヘクター・マッコリンスという男にローズという娘があった。深山に咲いた野薔薇に似てかぐわしいローズに想いをよせる男の数は森林の樹木よりも多いかと思われるほどで乗馬警官隊のデヴリン、フランス人のやさ男ピエル・ヘクターの友人ベル医師などが就中熱心な求愛者なのであった。ベル医師は医術にかけては相当の腕もあり村落の者からは信望も篤かったが一種の狂的な眼光と憂鬱な表情の持主で折から計画されていた鉄道敷設事業に対しては常人と思えぬほどの反対意見をもっていた。マッコリンスも頑固な老人の常として鉄道に反対していたが或る日、村人と鉄道側の間に争闘が起り技師ブルース・ノートンは重傷を負うた。ローズは一目見た時からブルースに恋しブルースもまたローズを愛し2人の恋は人眼の関を越えつつ急激に成長して行った。ベル医師は2人の逢引を発見し2人が駈落しようという計画を知り、ブルースを自分の小屋におびき出して殺害しようとする。激しい格闘のうちにベル医師は自分の発射した弾丸に仆れ、覆ったランプの火に小屋は焼ける。ピストルにしるされた名前からブルースは殺人犯人として官憲に追われて傷つく。ローズは愛犬の力でブルースの隠れ場所を知り傷ついたブルースを我家の地下室に隠す。乗馬警官デヴリンはそれと察して踏みこむのをローズはフランス人ピエルの手をかりて逃げるが進退谷まって激流の岸につないだ丸木舟で河を下る。デヴリンはその丸木舟の中に隠れていた。激流中の丸木舟は恋の3人をのせて岩の間を危く縫ってゆく。死の危険を脱して舟が小島に着いた時デヴリンは2人を放免して自分は島に残る。ゆるやかな流に梶の音が響いて恋に燃えるローズの歌声が次第に遠ざかる。その歌に無限の執着を残しながらデヴリンは彼等の前途に祝福を祈るのであった。

今日は映画何の日?

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