「藪の中」のストーリー

平安時代、とある山中の籔の中で、旅の途中の若い武士・金沢武弘とその妻・真砂が、多襄丸という盗賊に襲われた。多襄丸は武弘を木に縛り付け、その眼前で真砂を犯す。行為の後、真砂は凌辱された一部始終を武弘に見られたことに堪えられず、武弘を殺してくれと多襄丸に叫んだ。多襄丸はためらいながらも無我夢中で武弘を殺した。その後、多襄丸は真砂の兄で検非違使の森川中正に捕まって打ち首にされ、真砂は人知れず湖に身を投げたという。しかし、事件のあらましを納得できずにいた中正は、事件現場の籔の中へ入っていき、目撃者の木こりと会った。木こりから森の奥にいる巫女のお堂へと案内された中正は、怪しげな巫女の力で怪異な妄想の世界へ入っていく。森の中をさまよう中正は、背後からいきなり多襄丸に斬りつけられた。多襄丸は真砂から手を引けと中正に迫る。気がつくと中正は、事件当時の籔の中にいた。多襄丸に襲われ激しく抵抗している真砂の眼は、中正に必死で救いを求めていたが、木に縛られた武弘の身と重なった中正には、真砂を助ける術はなかった。そして、いつの間にか中正は、お堂の中で巫女が姿を変えた魔物に襲われていた。魔物が中正に喰らいつこうとした瞬間、武弘が現れて中正を助ける。しかし、武弘は真砂と中正の兄妹以上の愛情と絆を怪しみ、妬み、中正を問いつめた。中正は真砂の姿と事件の真相を求めてさまよい続けたが、お堂の前で木こりに斬りつけられ、反撃もむなしく息絶える。そして真砂と中正は、あの世で再会するのだった。

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