「卍舞III」のストーリー

女忍者のお蝶は、親のように慕っていた長老・権蔵を侍に殺され、かねてから抱いていた復讐を実行するため里を出る決心をした。5年前、大店の娘であったお蝶は浪人の黒川玄之進と恋仲にあり、ある夜、全てを捨てて彼と一緒になるために家を出たが、玄之進に裏切られ、配下のゴロツキの英五郎、与八、伊平次の3人に犯されたあげく、瀕死の状態で谷底に蹴り落とされた。そのお蝶を助けたのが権蔵だったのである。町へやってきたお蝶は、英五郎が玉屋という女郎屋に出入りしているのを見かけ、そこの女主人・お辰に働きたいと申し出た。普請奉行に出世していた玄之進もお辰を目当てに玉屋に通っていた。玄之進の用心棒をしている伊平次を襲ったお蝶は、伊平次から、お蝶の妹・おかよが今では将軍の側室・お美代の方になっており、玄之進を普請奉行に取り立てたのがお美代だということも聞き出した。玄之進とおかよは昔からできていて、ふたりでお蝶を裏切ったのだった。お蝶は伊平次を殺すと、さらに客として玉屋に来ていた与八と、お蝶の動きを察知した英五郎も殺害し、玄之進の屋敷に忍び込む。お美代と再会したお蝶は、お美代が姉を裏切ってまで玄之進を奪った理由が、愛する人と一緒になるというお蝶に対する嫉妬だったことを知った。その時、銃を手にした玄之進が現れ、お蝶はお美代を盾にしたが、玄之進は構わずお美代を撃った。お蝶を庇ったお美代は、お蝶に謝りながら息絶えるのだった。玄之進を追いつめたお蝶は、必死で許しを乞う玄之進めがけて刀を突き立ると、復讐を全て終えて、ひとり町を後にした。