「アタシはジュース」のストーリー

高校の数学教師だった一瀬薫は、今はハッピネス・クリエイティブという人材派遣会社を経営しているが、人材派遣とは仮の姿で、実態は男と女のもめごとを解決する裏社会の代行屋であった。スタッフのひとり、中川静香は薫の元教え子で、今ふたりは同居生活を送っている。2年前、まだ高校生だった静香は薫に対して憧れ以上の感情を抱き、その気持ちを薫に打ち明けた。はじめは戸惑っていた薫も、次第に静香の想いを受け入れたのだった。ある日、薫のオフィスを昔なじみの一条が訪れた。極東興業のドン・天童と新しい事業を始める一条は、前から好意を持っていた薫にプロポーズするが、すげなく断られる。あきらめきれない一条は、薫の恋人が静香であることを知ると、密かに静香に近づいて、天童から回ってくる危険な仕事を依頼した。静香は薫に内緒でその仕事に加わるが、あるトラブルに巻き込まれて、逆恨みした男からナイフで刺されてしまう。誰もいない路地裏に倒れ込んだ静香は、たまたま通りかかったバングラディシュ青年・ムスタファに助けられ、一命を取りとめた。回復した静香はムスタファのもとを訪ね、祖国のことや将来の夢などを語り合ううち、女性しか愛することのできなかった静香も、彼の純粋さに惹かれていく。ムスタファもまた静香を愛し始めており、ふたりは新しい生活を始めようとしていたが、不法滞在のムスタファが突然、バングラディシュへ送還されてしまった。薫は、ひとり残された静香に自分の元へ戻ってくるよう伝えるが、静香は薫とのことにも気持ちの区切りをつけ、その誘いを断った。