「軍曹と腰巾着」のストーリー

米国陸戦隊の軍曹で重量拳闘の選手スティーヴ・ライリーは戦地より凱旋する途中で移民の中に混っているユーゴーという孤児を救った。ユーゴーはサンフランシスコにいる伯父をたずねる途上であった。スティーヴはサンフランシスコ着後、親切にもユーゴーをつれて伯父の住居を訪れたがその付近に住む可憐な乙女モリー・マローンから伯父が1週間前に死んだことを聞かされ、ユーゴーに対する彼の同情は一層加わった。スティーヴはモリーの美しい姿に恋したが、モリーにはすでにジム・シャーキー伍長という陸軍の重量拳闘手の恋人があった。ここに計らずも両選手の間にモリーをめぐり恋の争闘が展開された。ユーゴーはスティーヴの世話で名もユー・エス・スミスと変え陸戦隊のマスコットとなり兵士仲間から愛された。或る時、弾薬破裂に際し己れの身を犠牲にして恩人スティーヴを救い身に数ヶ所の火傷をし、それがため病床にあり、近く行われんとする陸戦隊と陸軍の重量拳闘選手スティーヴ・ライリー対ジム・シャーキーの争覇戦を見る機会を得ることが出来なくなった。大試合の数日前、スティーヴは或る興行者に5000ドルで勝をゆづる約束をした。彼は此の5000ドルで生命を救ってくれたスミスに教育を授けてやろうとひそかに決心したのであった。試合の当日それを洩れ聞いたスミスは病をおして試合場に駈けつけ陸戦隊の名誉のためにシャーキーを倒せと激励した。スティーヴはついに意を決し、10ラウンドの大試合にシャーキーをノック・アウトし勝利の月桂冠を獲た。スティーヴはモリーをシャーキーに譲り、両者はここに温い握手を交わしスミスはシャーキー夫婦に引取られることになった。