「悪魔のいけにえ」のストーリー

サリー(マリリン・バーンズ)、ジュリー(アレン・ダンズィガー)、フランクリン(ポール・A・ パーティン)、カーク(ウイリアム・ヴァイル)、パムの仲良し5人組は、夏休みを利用してドライブ旅行に出ることになった。フランクリンは半身マヒで車椅子生活の青年だったが、誰一人として彼の世話を厭がる者はなかった。フランクリンとサリーは兄弟である。中西部あたりの砂漠から荒野へ、湖沼地帯を抜け、畑の真中を通り、山を越える。今日もまた抜けるような青空のもと田舎道を走っていると、一人の若い男が道路脇に立って親指を突き出している。ヒッチハイカーだ。車に乗り込んだ男は異様な風体だった。しかも、車の中へ入ってきて腰を下ろすなり、いきなりナイフを取りだし、自分の手のひらを切りつけた。2、3のやりとりのあと、今度はフランクリンの手に切りつけた。彼らはやっとのことでその狂人を追い払って難を逃れた。夕暮近くなって、一行は一軒の家を発見する。はじめにカークとジュリーが扉を叩いた。返事はなく、カークがおそるおそる扉を開けて入る。ジュリーが庭に出ている間に最初の殺人が行われた。突然、カークの眼の前に飛び出した男、顔にレザーの仮面をつけ、食肉解体者が用いるような白いエプロンをつけている大男だ。男は鉄のかなづちでカークの頭を一撃、けいれんを起こす彼に2度3度とかなづちをふるう。何も知らずに部屋に入るジュリー。異様な雰囲気にジュリーは恐怖と危機を覚え、立っていられない。逃げなくてはと思っても足が進まない。泣きながら部屋を出ようとしたところをさっきの男に退路を断たれる。暴れる彼女を横にかかえると、カークの殺された食肉解体室に連れ込み、太い縫針に彼女を吊した。その頃、二人の帰りが遅いのを不審に思った残りの二人が協議し、パムが様子を見に出かけることになったが、同様に彼も殺されてしまう。残ったサリーはフランクリンの車椅子を押して、その廃屋に向かった。しかし、前方から不気味なモーターの音と共に突進してきたのは例の仮面の男だった。男は手に自動のこぎりを持って、それをふり回しながらやって来る。男はのこぎりを車椅子のフランクリンの胸に突き立てた。飛沫になって空中を染める血しぶきとフランクリンの絶叫。サリーは逃げる。やっとのことで追撃をかわして逃げ込んだ道路沿いのガソリン・スタンド。しかしそこの主人もまた一味なのだ。サリーは麻袋に入れられ、再びもとの廃屋に連れ戻される。昼間のヒッチハイクの男は仮面の男の弟であり、スタンドの男は兄弟の父だった。さらに2階にいるミイラのような男は人の血を吸わなければ死んでしまうという、彼らの祖父だった。こうして異常性格と呼ぶ以上の地獄の狂人4人が乙女の血を求めて集まった。