「禁断の谷」のストーリー

ケンタッキーの山々に囲まれた禁断の谷にベン・リー老人は孫娘のモーニング・グローリーと、薄馬鹿ではあるが働き者のデーヴと暮らしていた。リーの家は数代に渡って、ミッチェル家と仇敵の間柄であって、永い間の争闘により、リー家の方はベン老人とグローリーの2人に、ミッチェル家の方は只1人の小児を残して全滅した。その子供は15年前ドミニー・ジョーンズに救われて他国に渡ってしまったのである。政府の測量官ジャック・ウィンスロウは禁断の谷間へ来た。彼はモーニング・グローリーと恋に陷ったが、デーヴはこれを妬み、ジャックが生き残ったミッチェル家のものであって、リー家のものを害さんために、この谷間に来たのであるとベン老人を唆かした。老人が銃を持って都へ去ったジャックの跡追うた時、強烈な酒を煽っていたため路傍に倒れた。デーヴは娘に、ジャックが彼の祖父を殺したと告げたので、娘はジャックの跡追うて、彼を狙撃した。彼女が家へ帰った時、死んだ筈の祖父は生きていた。そして、15年前ミッチェルの子供を連れてこの地を去ったジョーンズ老人が帰って来た。傷ついたジャックも、愛する娘が自分を狙撃したのだとは知らず、傷の手当をするために帰って来る。ジョーンズ老人は、彼等の慈悲で生きている薄馬鹿のデーヴこそミッチェル家の最後の人間であることを告げた。事情は判って禁断の谷には永久に平和な風が吹き始めた。