「北の狼」のストーリー

フランス系カナダ人ジュウルズ・ヴィンセント(スチュワート・グレンジャー)は、北方の猟の休みに町へ出て、酒場で美しいインディアン娘(シド・チャリシー)と知り合った。大男のブロディはこれをみて彼に喧嘩を売り、翌朝北へ帰る舟の中でジュウルズを倒そうとして逆に殺されてしまった。正当防衛とはいえ所詮お縄を避けられぬと知ったジュウルズは、娘を知り合いのインディアンに預け、ひとり北の猟場深く入った。騎馬警官隊はブロディの死体からジュウルズを犯人と断定、隊員のペドリイ(ウェンデル・コーリー)は彼を捕らえた。この時ジュウルズは敬愛するサイモン神父に死なれ、狩小屋で埋葬を準備しているところだったが、ペドリイは彼の言葉に耳もかさず、荒天の中を町へ連行しようとした。途中2人は道を失い、同じく道に迷った2人の山男に出会った。山男たちは警官を殺して逃げようとジュウルズを誘ったが、彼は逆にペドリイを助けて逃走した。2人の間にはようやく友情が芽ばえた。しかし2人は突然狼の大群に襲われ、肩を食いとられたペドリイはショックのため記憶を喪失、ジュウルズはその彼をかかえてやっとインディアン娘の元へ帰りついた。ジュウルズの苦心でやっと記憶をとり戻したペドリイは、急流を下る舟の中で恐怖のあまり彼に発砲したが、2人は激流の中に投げ出されて奇蹟的に命拾いした。ジュウルズの公判で、ペドリイは彼に有利な証言を展開、今や自由となったジュウルズはインディアン娘を抱いて再び北部へ向かった。