「カンサス騎兵隊」のストーリー

南北戦争前のことである。卒業を間近に控えて、陸軍士官学校生徒のジェブ・スチュアートは、同級のレイダーと大喧嘩を始めた。レイダーは奴隷制度即時撤廃を主張して、そのためには暴力もやむを得ずとするジョン・ブラウンの説を支持し、争いとなったものである。そのためレイダーは退校処分となり、ジェブは親友ジョージ・カスターと共にブラウン一派の勢力圏にあるカンサスーサンタ・フェ鉄道の起点にある駐屯部隊付きを命じられた。サンタ・フェで駅馬車屋を営んでいるサイラス・ホリディの娘キットを、ジェブもカスターも愛する。ある日、二人は駅馬車を守り、荒野を駆けて行く途中、積荷の聖書を引き取る一行に出会った。聖書とは、表向きで、ブラウン一派が入手しようとする小銃であった。その中にはレイダーもいた。ブラウンの息子ゼイソンも居た。ジェブは敵を追いちらし、息を引き取る前にゼイソンから父の本拠の所在を聞いた。ジェブは変装してブラウンに近づこうとしたが、レイダーに見破られ、死刑にされようとした。かけつけた騎兵隊に救われ、ブラウンらを撃退した。しかしブラウンは屈せず暴動を起こした。ところがレイダーはブラウンと争い、腹いせにブラウンの計画を駐屯軍に密告した。駐屯軍はブラウンが占拠している兵器庫を囲んで激しい戦闘が始まった。ブラウンはレイダーの裏切りを知り、彼を射殺したが、自らは騎兵隊に捕らわれた。そしてこの奴隷廃止論者は過激の故に絞首台の露と消えなければならなかった。ようやく平和となり、サンタ・フェ鉄道は開通した。その鉄路を走る最初の列車上にはジェブ・スチュアートが花嫁キットを抱いていた。