「紅い唇(1928)」のストーリー

ヒュー「バディー」ファーレルは新入生で、ステュワート・フリーマンの同窓生であった。彼はある夜、。歌の上手い所から、上級生達のお眼鏡にかない、この学校の生徒間の人気者シンシア・グレイ嬢のお慰みに選び出された。その晩からバディとシンシアとは互いに好きになった。で、かつてシンシアの友達だったステュワートも自ら棄権して、シンシアとバディとの交情を助ける約廻りを務める様になった。バディは880ヤードの組選であった。が、試合の前夜、シンシアが彼の許を遅く訪れた時、彼女を送り帰した。それをコーチが見付けて、彼が組選手にあるまじく女と共に夜更かしをして歩くものと誤解し、彼を選手から除いた。が、バディはその時はもう、シンシアさえ己れと結婚してくれるならば、学校を止めてもいいとさえ思い詰めていた。シンシアは、しかし、彼の前途を考え、また、ステュワートの忠言によって、彼の許を離れ家へ帰っていった。バディは、それを彼女に裏切られたものと信じて自暴自棄になった。が、やがて彼も女に迷うことの愚かさを覚り、心を入れ替えて再び選手を志願し、練習に熱心になった。いよいよ対校競技の日が来た。彼は880ヤードの選手として第1着を占めた。その夜、ダンスの集まりに、彼は絶えて久しいシンシアと顔を合わした。互いに疎隔した2人の心は、互いに思いを直ちにそれとは口に出しかねていた。そして2人の間は永久に離れて行かんとしたのであったが、偶然の機会は2人をまた結び合わすのであった。