「輝く一路」のストーリー

フレース・ダーランドは旧弊な中流階級の家庭に育った乙女だったが、父の事業の失敗から学校をやめて女店員とならねばならなかった。彼女はトレントンという男とダンス場で知合い2人は恋し合う仲となった。けれどもトレントンには妻があったので、2人はその恋を享楽するためには旧道徳を無視しなければならなかった。トレントンは離婚するを上策と考え妻に相談すると、妻は平生の主張を飜して離婚不賛成を唱えグレースを侮辱した。トレントンはやむなくグレースのために2人はもはやお互いに会わないようにしようと言った。グレースは愛は旧道徳に束縛さるべきものではないと信じていたが翌晩弟のボビーとサディーとの恋愛事件の破局を見、また姉エセルの固陋な考えを熟思していかに旧道徳が根強いものであるかを知ったのである。彼女は煩悶の末最も彼女を理解してくれる父親に相談すると、今トレントンがどんなに老いていようとも本当に愛しているのなら、その愛を秘密な罪悪のように隠して幸福でいられるはずがないと彼はグレースを慰めてくれた。しかしとにかくひとまず2人は別れることになり、トミー・ケンプがその愛人アイリーンのために開いた山荘の宴に出席して別離を惜しんだ。深夜自動車に乗っての帰途トミーは運転を誤って自動車を転覆させた。トミーは即死しトレントンは重傷を負った。グレースとアイリーンとは醜聞を立てられることを恐れたが、やむなくグレースは傷つけるトレントンを妻の許に伴った。医師は生涯障害者となると宣告した。トレントン夫人はそれを聞いて陋劣にも彼と離婚することを宣言した。グレースは愛人の身を気遣って医師に尋ねると貴女が妻となって介抱すれば必ず治癒すると保証した。