「踵の魅惑」のストーリー

ノラ・ヤングはある雑貨店に勤めていたが支配人と衝突してここばかりに日が照りやしまいと飛び出してしまった。そして恋人のバーネー・タッカーの世話で、マッガイア及びゴールドバーグ商会という衣裳店のモデルに雇われた。ところが同商会は財政困難をきたしたので銀行家ウオルター・ホーンスビーに借金を申し込んだが、商会の内幕を知っているホーンスビーは貸出を拒絶した。切羽詰まったマッガイアはふとノラの美しい姿に目をつけ妙案を考え出した。そして早速彼女に素晴らしい衣裳と立派なアパートメントを支給して、ホーンスビーから金をださせたらパリへ旅行させてやるという条件でノラを説破した。そこでノラが花形となってのホーンスビー接待の宴会が開かれた。ノラはありったけの愛嬌を振り撒いてホーンスビーを悩殺したが、最後の5分間で彼女の不注意が因でホーンスビー懐柔策は不成功に終わった。しかし彼女の美しさに野心を起こしたホーンスビーはノラを誘って自動車に乗せ目的を果たさんとした。けれどもノラの意思は鞏固でホーンスビーの魔の手も彼女に危害を加え得なかった。かくて世の醜悪な半面を知ったノラは真に彼女を愛してくれる恋人バーネーの許へかえった。ノラがバーネーと結婚する日、彼女の友達ヴァージニアとフローも、夫れ夫れ恋人のテッド及びビルと楽しき新生活に入った。