「下半身症候群」のストーリー

元OLの真紀は平凡な生活に飽き足らず、横浜にあるのぞき部屋の女となり、お金を貯めている。真紀は海の見える白い家に住んでいるが、そこにはウリセンバーに勤めるホモの純次が同居している。もちろん2人の間に肉体関係はない。ある日、客に騙されお金を盗まれた真紀は、ひろった子猫を抱く静という娘に声をかけ、お金を借りる。静は、真紀と純次を夫婦と思ったが、事情を知り、2人の自由な暮しに憧れ、ここに居ついてしまう。真紀のOL時代の恋人で、生真面目なサラリーマン岡田は、今でも、客とラブホテルから出てきた真紀に結婚しようと迫る。お金をくれればあなたもお客と、2人は体を重ねる。そのころ、静は純次に密かに思いを寄せており、また、彼も静は嫌いじゃなかった。「ためしてみよう」と静は純次を口に含み、愛撫するが反応はない。愛し合いながらも結ばれない男と女。静はのぞき部屋に勤めだし、そんな姿を見るのは純次にはつらいことだった。そして、子猫がどこかへ逃げてしまったとき、純次もこの家から出ていくことを決意する。純次のニューヨーク行きがあと一ヵ月になった日も、3人はいつもと変らず、セックス産業の最前線で働いているのだ。