「回転木馬」のストーリー

ビリイ・ゴードン(ゴードン・マックレー)は天国にいる。彼は底で星の番人をしている。ある日、同僚の1人が下界に暮らしている彼の身内が不幸だから、下界へ降りて彼等を幸福にしてやれと忠告する。かくてビリイは天国の律によって1日だけ、もう1度この世に戻って来るわけだが、物語は彼の生前に帰る。1900年。ところはニュー・イングランンドのメイン州にある小さな町。回転木馬のマリンばあさんの経営で、特に女性の人気を集めている。ある日、バスコム経営の棉織物工場で働いているジュリイ(シャーリー・ジョーンズ)という若い娘がやって来る。ジュリイは清純無垢な娘だが、どうしたわけかビリイの姿に催眠術でもかけられたようにひきつけられる。2人は間もなく結婚する。ビリイは回転木馬の呼びこみをやめてから2ヵ月すぎてもいまだに職が見つからない。知り合いの船乗りジッガー(キャメロン・ミッチェル)が織物工場主バスコムが船に原料取引の代金をとどける時、途中で待伏せして金を奪おうとそそのかす。鰊をとる漁師のスノウと婚約したジュリイの友達キャリイは、スノウが新しい漁船をてに入れたらビリイを乗組員にしようと云い、マリンばあさんも、彼をもう1度雇おうと云ってくる。ビリイは申し出を断ろうとしたが、ジュリイに子供ができることを知り、断りきれない。町から遠からぬ島で、町の人々が浜遊びをする日がある。ビリイもジュリイを連れてそこへ出かける。船乗りのジッガー母もやって来て、バスコムも金を盗もうと誘惑し、実行にとりかかるが、ビリイは失敗し、自分のナイフで傷を負い、ジュリイに抱かれながら死んだ。ここで話しは天界の彼にもどる。彼の死後生まれた娘ルイズが生長している。ところが、父なし子と云われて世間から馬鹿にされている。これを見てビリイは悲しがり1日だけ許されて天界から下界に降りてくる。それは丁度ルイズが高等学校を卒業する日だった。ビリイはルイズの前に現われ、天国から失敬してきた星を渡す。驚いたルイズは悲鳴をあげる。ビリイはジュリイには俺が来たことが判ったかもしれんと思う。ビリイはルイズのために何もしてやれなかったと悲しむが、卒業式のとき校長が云う、「自力で社会へ出て行け」という訓戒を聞き、ビリイはそれを見て安心し、天界へもどっていく。