「喝采の陰で」のストーリー

アイヴァン・トラヴァリアン(アル・パチーノ)は、ブロードウェイの売れっ子作家。新作の上演を控え、日夜タイプライターと悪戦苦闘している。妻グローリア(チューズデイ・ウェルド)は、ニューヨーク大学の仏語の講師でこれまで3度の離婚歴がある。彼女の4人の連れ子はアイヴァンの先妻との息子イゴール(エリック・ゲーリー)とも仲良しで、血はつながらなくても新しい父親であるアイヴァンを心から愛している。しかし、仕事一途なアイヴァンに、グローリアが疑問を抱き始め、子供を残して愛人のもとに走ってしまったのだ。仕事の方でも息づまっていたアイヴァンにはダブル・パンチ。結局、イゴールと、父親が海外にいるジェラルド(ベンジャミン・カーリン)だけが残され、他の3人の子供たちは、それぞれの実父たちにひきとられていった。家事をすべてまかされることになったアイヴァンには、奮闘の日々が始まった。そんな折、ハリウッドから彼の劇に主演するためにやって来た人気女優アリス・デトロイト(ダイアン・キャノン)がアイヴァンと恋に落ちた。アリスは、彼の家で同棲を始めるが、アーサー・ミラーとモンローの関係を夢見ていた彼女は、2人の子供をかかえた家庭生活はあまりに現実的で失望するものを感じていた。一方のアイヴァンも、自分の本当に愛していたのは去っていった妻のグローリアであったことに気づいた。アリスとの同棲生活も消滅し、実父にひきとられていた子供たちもアイヴァンを慕ってもどって来てしまう。5人の子供たちに囲まれて新作への挑戦に意欲を燃やすアイヴァン。やがて彼の新作の芝居の幕が開いた……。