「愛を止めないで」のストーリー

片田舎でやる瀬ない日々を過ごすブリュノ(イヴァン・アタル)には、遠くに住む恋人ジュリエット(シャルロット・ゲンズブール)がいる。滅多に会えない二人にとっては電話だけが頼りだが、決してそれだけで満たされるはずもなく、ブリュノはピストルを手にスクールバスを乗っ取ってしまう。彼は、そうまでして会いに行くことが、自分の彼女への愛の証しだと信じて疑わない。最初は、そんなブリュノを恐れていた人質の女教師(クリスティン・スコット・トーマス)や子供たちも、本当は虫も殺せない彼に徐々に心を開き始める。そして最後まで抵抗を続けた運転手(マルク・ベルマン)までが、警察の救出作戦を振り払ってブリュノに味方してしまうのだった。その後のブリュノはジュリエットと再会を果たして逮捕されるのだが、彼の表情には悲壮感のかけらもなかった。