「鬼を欺く男」のストーリー

金鉱脈を発見したコーバリーとケイリイとはその分前から争い遂にコーバリーは殺された。夫を失ったコーバリーの妻を昔から秘かに想っていたのは賭博打ちヘネーヂであった。20年は過ぎた。コーバリーの妻はその死際に博徒ヘネーヂに1人の娘ドナの将来を託した。此の町へボッブという1人の若い技師が来た。ふとした事から此の青年とドナは恋に落ちた。ヘネーヂは此の青年を不真面目と誤り信じたが、青年は飽くまで純な気持ちでドナを愛し鉱脈探索に出かけた。彼は鉱脈を奪おうとする一味の手先に撃たれ傷ついた。此の一味の首領はかつてコーバリーを殺したケイリーでやがて悪運尽きて黒人の召使に殺され、ボッブを撃った悪漢も、ドナの為に青年の身を護らんとしたヘネーヂと戦って斃された。しかし憐れにも、己が一生の胸中の恋人たりし亡きコーバリーの妻の愛児ドナを幸福に導く事に後半生を送ったヘネーヂもこの戦いに死んだ。彼の犠牲は然し空しきものでなく、ドナはボッブと幸福な安全な生活に入り得た。