「踊子気質」のストーリー

ロージャー・ウィンスロープはニューヨークでも有数の金満家だったが、未だ独身である寄席の踊り子テディー・オディに心を寄せていた。ある日、それはテディーの誕生日のこと、例の通り彼女を訪問しようとする際彼は誤って怪我をしたので、秘書のダーリツク・カルホーンを代理に祝いの品を届けさせた。ダーリックとテディーの美しい舞台姿には非常に心を惹かれていたので踊る胸をおさえて彼女を訪れた。テディーはウィンスロープの友人だというダーリックを見てからは、すっかりその男らしさに心をとらわれた。日が経つにつれて二人は親しくなり、ついに婚約を結ぶに至った。ところがダーリツクがテディー贈った指輪はウィンスロープの小切手に偽署して購われたことが発覚した。ウィンスロープの復讐心は燃え、告訴されたダーリックは法の裁きによって刑務所の苦役に就く身となった。しかし、テディーのダーリックに対する愛には変わりがなかった。彼女はダーリックが刑期を終えて帰り来る日を指折り数えて待っていた。やがて人々が歓び合う降誕祭の前夜が来た。久しぶりにテディーの楽屋を訪れたウィンスロープは、恋しあっている若者達に対して余りに情けなかった自分の所行を悔いて、知事にダーリックの特赦の手続きを願い出た由を彼女に伝えた。テディーは嬉しかった。家に帰ってからも心の浮き立つ思いでいると恋こがれているダーリックがやってきた。二人は思わず抱き合って泣いた。ところがダーリックの様子が唯事ではないので怪しんで尋ねると彼は脱獄して来たことを告白した。テディーの喜びは驚きと恐れとに変わった。しかし、彼女のダーリックに対する愛は更に強く燃え立ち、諄々彼を説いたので、前途に真の幸福を希ってダーリックは敢然と再び刑務所へ戻った。