「おかしな求婚」のストーリー

ヘンリー・グレアム(ウォルター・マッソー)は莫大な遺産を相続した大変なプレイボーイで、女なんかただの遊び相手とまるで結婚の対象とはしない乱脈ぶり。ところが、さしもの彼の巨額の財産もとうとう底をつき振り出した小切手が不渡り。すっかり困ったヘンリーは、永年仕えてきた執事のハロルド(ジョージ・ローズ)の提案で、財産目当ての結婚を決意した。ケチな叔父のハリー(ジェームズ・ココ)からようやく借りた金で支度金をつくり、知人に手を回して、手当たり次第パーティーに出席して目指す相手を物色した。叔父からの借金の返済期限ぎりぎりに、ヘンリーは大富豪の一人娘ヘンリエッタ(エレイン・メイ)にめぐりあった。ところがこの女は全くサエない堅物の植物学者でさすがのヘンリーもちゅうちょしたが、背に腹はかえられず、必死になって勉強した植物学の知識をひけらかして、くどき落とした。ヘンリエッタの顧問弁護士やヘンリーの叔父ハリーの妨害をかわして結婚したヘンリーは、ヘンリエッタの邸宅に来て驚いた。家政婦を始めとする使用人たちは我がもの顔に振るまい、重役並の給料である。ヘンリーは全部クビにし、全く新しい召使いを雇い入れた。もちろん自分の名義に変わった財産を守るためである。ところが、執事のハロルドの止めるのもきかず、ヘンリーはヘンリエッタ殺害の計画まで推し進めようとしだしたのである。2人はジャングルの奥地へ植物の採集に出かけた。ヘンリーの首には新しい葉のペンダントが光っていた。それはヘンリエッタの要請でヘンリーの名が学名として付けられており、さすがのヘンリーもペンダントを見るたびに決意が鈍る。しかし、2人の乗ったカヌーが突然濁流にのまれたのだ。ヘンリーにとって、これほどのチャンスはまたとない。ところがその時、ヘンリーはヘンリエッタを愛していることに気づいたのだ。もちろん、ヘンリーはヘンリエッタ救出に、渦巻く激流に飛び込んだ。