「大空の地獄」のストーリー

西部戦線で空中戦が火花を散らしていた頃である。アメリカ人のスチーヴ・ワーナーはフランスのラファイエット飛行隊附将校として戦線に立った。彼と一緒に来たのは彼の上官たるドゥーラージュ大尉とロオジェー中尉とハートリー少尉とデーヴィス軍曹の面々であった。彼らが戦線に到着すると「男爵」と呼ばれているドイツの名飛行昇降クルト・フォン・ハーゲン男爵から手紙が来た。それは歓迎の辞と葬送の辞とを兼ねたものだった。ワーナー中尉はこの侮辱を怒って直ちに飛行しようとしたが、ドゥラージュ大尉が行くというので思い止まる。その翌日大尉は「男爵」に射落とされた。今や隊長となったワーナー中尉はドュラージュ大尉の讐を報いる事を誓った。隊員はイエメというフランス娘に一様に思慕の情を捧げたが、ワーナー中尉だけは露骨な態度を示さなかった。そのためにエイメは却ってワーナー中尉に好意を寄せる様になった。そのうちにまた補充隊が来たがその中でも若年のメイ伍長は炎に包まれて生きながら火葬になるのが怖いと告白した。それは隊員全部の恐怖だった。そして「男爵」に対する恐怖はいつかワーナー中尉の夢枕を襲うにいたった。それを慰めるのはエイメの優しい愛情のみであった。ついに中尉は「男爵」と決戦して敵を射落とした。その功によって8日間の休暇を許されたのでエイメと結婚する事になる。ところが射落とされたのは「男爵」の飛行機で「男爵」は休暇中のため乗っていない事が判った。そして男爵からはワーナー中尉に挑戦状が来た。中尉は空へ舞い上がった。激しい一騎討ちが続いた。ところが機関銃が故障を起こしたので中尉は死を決して男爵機にぶつかった。2機は共に墜落したが、落ちた箇所はフランス軍陣地だったので男爵は捕虜となった。重傷を負った2勇士は包帯を体全体に巻きながら握手してお互いの勇敢さを賞し合うのであった。