「大いなる砲火」のストーリー

1865年、南北戦争も終わりに近い頃、北軍のホークス砦では脱走に失敗した南軍の捕虜が黒人の当番兵に銃殺された。上官の命令とはいえ、黒人が白人を銃殺するとは。怒った南軍の捕虜たちは、ベントリー大尉(ジョージ・ハミルトン)を先頭にして集団脱走を計画した。ベントリーは、もちろん北軍に対しても怒りを感じてはいたが、それ以上に、志願看護婦のエミリー(インガー・スティーヴンス)に恨みをもっていた。彼女は北軍のウォルコット少佐(グレン・フォード)に気があるので、たびたび砦を訪れていたが、南軍に対して強い偏見を持っている女だ。数日後、一行は脱走に成功した。その際、彼らはエミリーを人質にして逃げた。そしてまもなく、北軍の追跡が始まった。南軍の兵士たちは、死んだように眠っているアリゾナの町に入った。そして酒場にいくと、そこには北軍の伝令がいた。すぐ射殺。しかし、ベントリーが死体を調べてみると、彼は戦争終結の報告書を持っていた。南北戦争は終わったのだ。ベントリーは兵隊を故郷に帰すべきか、それとも、北軍への恨みを果たすべきか迷ったが、結局、後者をとり、戦争終結の件は、当分の間内証にしておくことにした。ウォルコットひきいる北軍の追跡部隊も町に入り、すぐエミリーを見つけた。彼自身は、戦争終結の件を、うすうす感じていたので追跡を続けることには、あまり気がすすまなかったが、それまでベントリーたちにひどいめにあっていた、エミリーの願いをききいれ、再び追跡の決心をした。アリゾナとメキシコの国境で両軍の戦闘が行われた。ベントリーはウォルコットの銃弾に倒れ、“戦争は終わり、エミリーもすべてを知っているはず”と語り息絶えた。やがてウォルコットは生き残りの兵士たちとエミリーをつれて故郷目ざして帰って行った。