「狂った夜」のストーリー

ローマにたそがれがきていた。夜の女たちが路上に現われた。アンナ(エルザ・マルティネッリ)とスプリツィア(アントネラ・ルアルディ)が喧嘩を始め、二人の青年がとめに入った。ルジェレット(ローラン・テルズィエフ)とシンチローネ(ジャン・クロード・ブリアリ)だ。盗んだ銃を故買屋に売りに行く途中で、女たちを道づれにした。故買屋は女房の葬式で商売どころではなかった。故買屋の甥が、他を紹介しようと申し出た。通称ベッラ・ベッラ(フランコ・インテルレンギ)だ。が、彼の紹介先は不景気で、買う力がなかった。女たちが別の家へ案内した。郊外の家で十万リラが手に入った。家にいた娼婦ニコレッタが仲間になった。沼のほとりで青年たちはそれぞれの相手と寝た。--しめし合わせて女たちを置きざりにし、町へ車を飛ばす途中、シンチローネが持っていた十万リラがなくなったのに気づいた。敵もさるもの。引きかえした時、女たちは消えていた。街中を探しまわったが、むだだった。彼らは無人の車にある撮影機に目をつけた。が、持ち主の三人の青年が現われ、喧嘩になった。警官がかけつけ、彼らは三人の青年の車に乗せられ、逃げた。喧嘩のカタをつけるはずだったがシンチローネたちが折れ、和解した。その夜、六人の青年はローマ中を暴れ回った。ニコレッタを見つけ、水をぶっかけたりした。三人の金持息子の一人アキッレの邸に腰をおちつけた。ルジェレットは奥の部屋で若い女の寝姿を見た。令嬢か?ラウラというその女(ミレーヌ・ドモンジョ)は女中らしかった。彼が引き寄せてもこばまなかった。--ベッラ・ベッラがアキッレの財布を盗み、三人は逃げた。その十万リラを彼が一人じめしようとし、ルジェレットは怒った。二人で争っている間に、シンチローネが札束を持って消えた。彼はロッサナの貧しい家で彼女を待った。情夫がいても好きだったのだ。原っぱで寝たあと、ナイト・クラブへ行った。が、札つきの彼は大金を見せても断られた。暴れて、警官に連行された。ルジェレットが現れ、残された札束を取り上げ、ロッサナを誘った。二人は遊び回った。クラブ、それからホテルの食堂。楽士を買いきり、踊った。夜が明けた。彼は彼女を家まで送った。橋の上で車を捨てた時、百リラしか残らなかった。“素晴らしい夜”は終った。