「人生は長く静かな河」のストーリー

15年に及ぶマヴィアル医師(ダニエル・ジェラン)の情人である看護婦のジョセット(カトリーヌ・イジェル)は、妻が死にやもめになったのにもかかわらず自分と結婚するつもりのないマヴィアルに逆上し、12年前の嫉妬が起こした赤ん坊取り違え事件をぶちまける。ブルジョワで信心深いルケノワ家では可愛い娘ベルナデット(ヴァレリー・ラランド)が他人の娘だった事実に一騒動、一方の貧乏でアナーキーなグロゼイユ家でもブルジョワの息子を育てていた事実には憎しみを吹き出すが、当の間違えられた子供モモ(ブノワ・マジメル)は、この事件を逆に金もうけに利用することを提案する。果たしてルケノワ氏(アンドレ・ウィルムス)は、ベルナデットをこれまで通り手元におき、2万フランでモモを引き取る選択を決意する。そしてその日からルケノワ家の受難の日々が始まった。モモによって一家秘伝の銀器が減ってゆき、出生の秘密を知ったベルナデットがショックから極度の潔癖症に陥ってゆく。やがて両家の子供たちはモモを通して交際を始め、皆で遊泳禁止の川で泳いだり、モモの元の姉ロズリーヌがルケノワ家のポールを誘惑したりしているうちに、ついにノイローゼ状態になってしまったルケノワ夫人(エレーヌ・ヴァンサン)は、一家をあげヴァカンスへと逃げ出す。モモも同行するが、戻ってきてもまた両家とうまくやるつもりだった。一方浜辺では、廃人同様のマヴィアルと共にヴァカンスを楽しむジョセットの姿があった。ついに世界は彼女のものになったのだ。