「ジェラシー(1979)」のストーリー

夜の街に救急車のサイレンが響く。若い女が自殺を計ったのだ。彼女の名はミレーナ(テレサ・ラッセル)。彼女につき添うのは精神分析医学の教授アレックス(アート・ガーファンクル)。二人が知り合ったのは、とあるパーティだった。挑発的なミレーナの態度に無表情に応えるアレックスに、その時からミレーナは積極的だった。それ以後二人の仲は急速に進展し、部屋であるいは、クリムトなどの絵が展示されたベルベーレ宮で、デートは続いた。しかし、結婚をせまるアレックスの態度に、ミレーナは同調せず、他の男と出歩いたりする始末だった。そんなころ、アレックスはミレーナについて意外な事実を知った。彼女にはチェコに住むステファン(デンホルム・エリオット)という初老の夫がいたのだ。そして数カ月前にそのステファンとは別居している。アレックスは、そのことを、時おり仕事を手伝っているウィーンのアメリカ情報部で知ったのだが、さらに詳しいことを調査するためチェコ大使館に行った。そこで何の収穫も得られなかった彼は、ミレーナにステファンとの離婚を迫る。やがて、何度かの入れ違いが生じ、二人の間に不安定な状祝が続いた。そして彼女は遂に自殺という手段をとる。その夜、彼女は泥酔状態でアレックスに電話をかけ、彼を呼び出していた。彼はミレーナの電話での様子から彼女の死を予感していたが、酒場などで時間をつぶし彼女の家についたのは二時間以上も時間が経ってからだった。無意識状態のミレーナを犯すと彼女の下着を切り裂いた。それから救急車を呼ぶアレックス。病院で彼は警部(ハーヴェイ・カイテル)の尋問を受ける。警部はアレックスに不審をもち問いつめる。アレックスが混乱している頃、ミレーナが命を取りとめたという知らせが入った。それから一年ほどたったある日、ニューヨークの街で二人は偶然すれ連うのだった。