「永遠のエルザ」のストーリー

マサイ集落に滞在しているジョイ・アダムソン(スーザン・ハンプシャー)の許に連転手のマッキードが駆けつけ、エルザが病気で死にそうであることを告げた。エルザは、アダムソンが赤ん坊の時から育てた牝ライオンで、今では野生に帰って3匹の子の母親として生活していた。夫人はとるものもとりあえず、夫のジョージ(ナイジェル・ダベンポード)の許に向かった。しかし、時はすでに遅く、エルザはジョージの腕の中で息を引き取った後だった。最愛のエルザを失った夫人はジョージの胸の中で泣き崩れた。死因は伝染病らしい。その上、エルザの旦那は密猟者に殺されたらしい。となれば残された3匹の子ライオンたちは……。両親に死なれた3匹は、野生の中で生きていく事はとてもできないはずだ。アダムソン夫妻は早速、リトル・エルザ、ゴーパ、ジェスパの3匹の捜索にかかった。数日後、子供たちが、エルザのお墓にやってきたのを発見したが、茂みの中に逃げ込んでしまった。時がたち、ジョージはキャンプを離れなければならなかった。それからしばらくして、子供たちが、タナ渓谷にある村を襲おうとしているという情報が入り、2人は現地に急行した。何とか彼らを人家から遠ざけ、安全な場所に移さなければならない。2人は3匹を捕まえて、保護地区のセレンゲティへ送り込むプランを立て、さっそく実行に移した。彼らはしばしば村に現れ人家に入り込んで女子どもを驚かせた。上司のケンドールからは、30日以内に何とかしなければ3匹を射殺せざるを得ない、という最後通知を受けた2人は焦った。3つの檻を使ってワナを作ったが、その成果はかんばしくなかった。時間は容赦なく過ぎていき、3匹の子ライオンを同時に檻に入れる事は不可能のように思えた。ある夜、アダムソン夫妻のキャンプを洪水が見舞った。キャンプは水びたしとなり、車は泥につかった。しかし、3匹の子ライオンは檻の中で雨やどりしたまま眠っていた。ジョージは胸を踊らせて、茂みに飛び込んでロープを引いた。だがロープを巻きつけておいた木の枝が豪雨で折れてしまい、檻の入口がしまらないのだ。おかげで3匹は逃げてしまった。残された時間はあと3日しかなかった。夫妻は、あきらめかけてキャンプに戻ろうとすると、3匹が一緒に檻に近づこうとしていた。今度こそ成功だった。翌日、一行はセレンゲティの禁猟区に到着した。いよいよ別れである。エルザの子供たちは、新しい環境におどおどしているようだった。檻を最初に出たのはジェスパーで、後にゴーパとリトル・エルザが続いた。「さようならジェスパー」。やがて、エルザの子供たち、3匹の兄妹は新しい自由の地に向かって去っていく。

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