「運は天に在り」のストーリー

20年ばかり前のある雪の夜ニューヨークの貧民窟の河端で寒さと餓えに慄えている1人の孤児が巡査に救われマッカーヴァーという料理店の主婦に貰われた。孤児のサムはジョージという主婦の息子と兄弟として育てられた。サムはボクシング家を志し試合毎に運よく勝って遂に世界選手権試合に出場することになった。ところが試合の契約書に署名した日サムはカーロッタ・アッシュという富豪令嬢の自動車に轢かれて数ケ月間入院した。彼女は気の毒がって多額の金をサムに贈ろうとしたが彼は受けなかった。そして退院後彼は再びボクシング家として起つ能はざるを自覚し、樽間倶楽部を始めたが之れが大変な大当りだった。カーロッタはモンティー・ガーサイドという婚約者と共に毎夜サムの倶楽部に来て遊んでいた。ジョージはカーロッタに恋慕しそれが受けられないため自暴自棄となり放埓な生活を始めモンティーを恋仇と呪い始めた。サムとカーロッタは互いに愛し合っていながら、打明けてはいなかった。大晦日の夜サムはモンティーが倶楽部の支払いに不渡り小切手を濫発していたことを知り断然受附を謝絶した。カーロッタはこれを聞いて始めてモンティーの求婚は自分の財生目当であることを悟った。カーロッタはサムの事務室でサムと意中を打明け合った。それを発見したモンティーは怒った。一方恋に敗れ不仕末をサムに詰られたジョージは半狂乱となってサムの机の中の拳銃を掴んだ。除夜の鐘が鳴って倶楽部が1入賑やかになった時モンティーは死体となって倶楽部に横った。警官が来た時サムはカーロッタを隣室に隠して自ら罪を負はうとしたが、カーロッタは飛出して自分とサムとモンティーとの関係を告白して自ら縛につこうとした。そこへジョージが引立てられて来た。しかしモンティーの死は自殺であることが確証され、サムとカーロッタは天下晴れて恋を語る仲となった。