王道ラブコメに胸キュンしつつ、家族愛に感動できるドラマ『王様に捧ぐ薬指』

1年間の契約で愛のない打算的なメリット婚をした、橋本環奈演じるド貧乏美女と山田涼介演じるドSのツンデレ“王様”御曹司によるシンデレラストーリー『王様に捧ぐ薬指』。胸キュンの王道ラブコメドラマでありながら、実は感動的な家族の物語としてホロリとさせられる本作。このドラマの魅力と2月28日にリリースされたBlu-ray BOXとDVD-BOXに収録された特典映像についてなどをご紹介しよう。


会社の広告塔として美男美女のラブラブカップルを演じる主人公

原作は、人気漫画家のわたなべ志穂が、『プチコミック』(小学館)で2014~17年に連載した同名漫画。舞台となるブライダル業界は、原作者の結婚式場でのアルバイト経験も活かされているという。

主人公の羽田綾華(橋本環奈)は、誰もが認める容姿端麗な美女。その容姿が数々の男性を魅了しすぎてしまうことから、周囲の男性たちが勝手に好意を抱いてきたり、綾華を巡って喧嘩を始めたりしてしまい、トラブルに巻き込まれることや悪女と呼ばれて同性を敵に回すことも多く、仕事が長続きしない。実家は小さな蒲鉾屋で、弟と妹が4人居て、母親は6人目の子どもを妊娠中。長女の綾華は経済的に苦労する大家族を助けるためにも働かねばならず、求人のあった結婚式場『ラ・ブランシュ』に入社。そこで代表取締役の新田東郷(山田涼介)と出会う。

東郷は大企業グループの御曹司で、グループ企業で経営難の『ラ・ブランシュ』を立て直すため、自らを広告塔として恋愛リアリティ番組に出演。通称“キング”と呼ばれていた。彼は、面接でも悪態に近いほどズケズケと正直に物を言うことができ、誤解などにより同性の同僚たちに嫌われながらも弱音を吐かずに働く綾華に“仕事”のパートナーとして利用価値を見出し、「結婚しよう」と告げる。東郷は政略結婚の見合い相手を薦めてくる両親への反発や結婚式場の宣伝のために、夫婦として装うのはあくまで人前だけで報酬も支払うというメリット婚を提案したのだ。お金のためと割り切った綾華は、庶民から玉の輿に乗ったシンデレラを演じることになる。1年間の契約を結んで入籍した二人は、美男美女のラブラブな夫婦を装って動画配信やイベント出演を行うなど、『ラ・ブランシュ』の広告塔として人気を博すが……。

 

家族もの、お仕事ものとしても楽しめる多彩な物語

二人は仲の良い夫婦を装って動画配信を行うため、毎回、ドキドキのラブラブシーンが登場。しかし、カメラ前ではイチャイチャしながら、録画を停めた途端にそっけなく素にもどったり、けなし合ったりするのが面白い。一見冷徹で誰もが恐れる“キング”こと東郷と、彼に物怖じせず明るくサバサバと意見をぶつける綾華という二人を、コメディ芝居にも長けた橋本環奈と山田涼介が好演。そのテンポの良い掛け合いが絶妙で、特典映像などでもお互いに相性の良さを語っている。

綾華と東郷は、似たもの同士。気が強く弱音を吐かないし、言い訳もしないため、誤解を受けやすく、友人も少ない。似たもの同士だけにお互いを知る中で惹かれ合うことにもなるが、反発もしやすく、気丈すぎる性格が災いし、すれ違いも多い。誰もが「二人がいつ本物の夫婦となっていくのか?」という過程を描くと予測するだろうが、一筋縄ではいかない。容姿にも家族にも恵まれて生きてきたように見えるが、他人のことを思って別れを選んだり、ワルモノ呼ばわりされても受け入れることが多く、実は不器用に生きてきた。そんな二人には、ハッピーエンドだけでなく切ない別れを予感させるものもあり、二転三転するドキドキの展開を見せていくことになる。

綾華と東郷のラブストーリーを中心にしながらも、本作には他に二つの柱がある。一つは綾華と東郷の仕事。二人にとってはラブラブの夫婦を演じることも仕事になるが、それも本職の結婚式場『ラ・ブランシュ』のため。同性婚、離婚式、二次元の推しとのソロ婚などの現代的な結婚式から、カスハラやご祝儀泥棒のようなトラブルまで、ブライダル業界のお仕事ものとしての物語も描かれていく。綾華はたまたま就いただけだったウェディングプランナーの仕事にやりがいを感じるようになり、東郷は名家の後継者として両親のプレッシャーを受けながらも経営者としての手腕を振るっていくという二人の姿が、生き生きと綴られる。

そして、もう一つの大きな柱となるのが、家族の物語。綾華の育った羽田家は、近々赤ちゃんが産まれる7人家族で、店舗を兼ねた小さな家に愛犬のネギと共に暮らしている。生活は厳しそうだが、明るく賑やかで、幸せそうな下町の大家族。モテすぎて外では孤独で気丈に振る舞ってきた綾華が、明るく真っ直ぐに生きてこられたのは、愛に満ちた家族の中で育ってきたからこそ。綾華は度々実家に帰ることになるため、その家族団欒風景は、見る側にとっても癒しになる。一方、東郷の育った新田家は、両親共に名家出身の由緒正しき厳格な家庭。巨大企業グループを経営しており、一人息子の東郷への期待も高い。こちらでは家族団欒などは一切なく、東郷と母・静(松嶋菜々子)には深い確執がある。次第に明かされる新田家の複雑な家庭事情は、東郷だけでなく綾華にも大きな影響を与えていく。この羽田家と新田家の両家の物語、そして、偽りの家族となった綾華と東郷。ラブコメとして見始めた本作が、最後には大きな家族の物語であることに気付き、胸を揺さぶられることになる。

 

本編とリンクしたオリジナルストーリー短編も必見の特典映像

本作が連ドラ初主演となった橋本環奈は、持ち前の明るさと愛嬌で、周囲の男を狂わせるモテ女を嫌味なく演じ、山田涼介はツンデレ王様キャラをクールなだけではない繊細な芝居で表現。共演陣も、坂東龍汰、長尾謙杜(なにわ男子)、森永悠希、小林涼子、塚地武雅、利重剛、りょう、松嶋菜々子ら、若手からベテランまで豪華俳優陣が揃う。芸達者な俳優たちが、胸キュンも、笑いも、ハラハラも、切なさもある多彩な魅力の詰まったこのドラマを盛り上げている。さらに、北村匠海、小野ゆり子、野呂佳代、不破万作、大友花恋、早見あかりなどの俳優たちに加え、様々なお笑い芸人がゲスト出演。その中には伏線となるキャラクターもいるので、ゲストキャラも見逃せない。

2月28日にリリースされたBlu-ray BOXとDVD-BOXに収録される総計約114分の特典映像も見所満載。メイキングでは、橋本と山田らの現場の様子やコメントなどの他、長尾謙杜が東郷の豪華なマンション室内と庶民的な羽田家のセットをレポートする様子などが見られ、東郷のリビングには、海外から取り寄せた約500万円のソファー、約1500万円のペルシャ絨毯、約70万円のFENDIのジェンガなど、超一流の家具や装飾品を揃えていることが明かされている。こだわりの美術も見逃せないポイントだ。

クランクアップ集では、メインキャストたちのクランクアップ時の様子とその際のコメントを収録。山田が第8話で劇中の七夕イベントに夫婦で登壇するシーンが、最も恥ずかしく唯一嫌な撮影だったといった撮影秘話も明かしている。他にも、橋本と山田が放送開始前に行った制作発表会見、番宣SPOT集なども収録。さらには、Paraviで配信された短編オリジナルストーリー『女王様に捧ぐ薬指』も全5話を収録。長尾の演じた大学生の羽田陸(綾華の弟で羽田家長男)がマッチングアプリで、若月佑美の演じる年齢を偽った二階堂美咲(『ラ・ブランシュ』で働く綾華の同僚)と出会うという、知られざる物語が描かれている。こちらも笑えてドキドキできる年の差カップルのラブコメ短編として面白い。本編ともリンクしており、本編を全話見た後に見るとニヤリとできるので必見だ。

 

文=天本伸一郎 制作=キネマ旬報社

 

 

『王様に捧ぐ薬指』

●2月28日(水)Blu-ray&DVD BOXリリース(レンタル同時)
Blu-ray BOXの詳細情報こちら
DVD BOXの詳細情報こちら

●Blu-ray BOX 価格:29,645円(税込)
【ディスク】<4枚>
●DVD BOX 価格:24,200円(税込)
【ディスク】<6枚>

【Blu-ray&DVD共通】
★映像特典★

・メイキング、クランクアップ集、制作発表会見、SPOT集、『女王様に捧ぐ薬指』
★封入特典★
・ブックレット

●2023年/日本/本編478分/特典114分

●原作:わたなべ志穂『王様に捧ぐ薬指』(小学館プチコミックフラワーコミックスα刊)
●演出:坪井敏雄、泉 正英、宮﨑萌加、大内舞子、宮本秀光
●脚本:倉光泰子、関 久代
●主題歌:Hey! Say! JUMP『DEAR MY LOVER』 挿入歌:Awesome City Club『アイオライト』(cutting edge)

●出演:橋本環奈 山田涼介 
坂東龍汰 長尾謙杜 森永悠希 小林きな子 若月佑美 三浦獠太 小林涼子 福田ユミ 小日向ゆか 田仲陽成 高橋奏琉 宮崎莉里沙
/北村匠海 塚地武雅 利重 剛/りょう
松嶋菜々子

●発売元:TBS 発売協力:TBSグロウディア 販売元:TCエンタテインメント
©わたなべ志穂/小学館 ©TBSスパークル/TBS

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