映像業界で働きたい!脱サラして再就職を決めた会社員と内定を勝ち取った女子大生にインタビュー

  • 2023年03月10日
左:池田さん、中央:大間知さん、右:取材にご協力頂いたTMS代表の松澤さん

スマートフォンの普及で常に動画が観られる環境になり、YouTubeやTikTokなどで自ら映像コンテンツを配信できるし、Amazonプライム・ビデオやNetflixでいつでも好きな映像作品が観られる。当たり前のように身近に映像コンテンツが溢れている今、映像や映画が好きで、もしも作ることを職業にしたい、と思ったら、みんなどうしているんだろう。

今回は映画・映像業界へ就職するために、映像制作を実践的に教えているTMS東京映画映像学校で、その道へ踏み出そうとしている二人に話を聞くことにした。

インタビュー前に授業を見学

インタビューの前に、少し授業を見学させてもらった。「MV実践」で、現役の講師が手掛けたドラマのエンディング映像を見ながら、音楽と映像を合わせていった過程を解説する。アップテンポに合わせて目まぐるしく映像が変わり、曲調に合う色合いがふわっと変遷していく。

「歌詞によって映像の雰囲気を変えたりしますか?」「うーん、僕は歌詞は意識しない。曲調だけで合う映像の入れ方を考えるかな」「曲先ですか?」「うん、曲をもらって、最初のイメージから構想していく」質疑応答がとても実践的。こんなふうに、プロとして手掛けるための技術や理論、マインドが毎時間作られていくんだ……と実感。

カメラ、編集、照明、録音からプレゼンまで、現場参加以前に様々な知識を習得する。もうすぐ実際にやるんだ、と感じないとこんな質問も浮かばないだろうなーと、衝撃を受けた。

いつかは監督作を撮れるカメラマンに

いつかは海外で映画を撮りたい!プロカメラマンを目指す池田啓将さん

池田啓将さん(25歳)は、大学卒業後、3年の商社勤務を経て、映像制作の道に進もうという目標を抱く。

「もともと映像は好きだったけど、社会人になってから自分の時間・仕事について考えたとき、今の仕事で定年までできるイメージが持てなくて。楽しいこと・好きなことでがんばれたらいいなと」

目指すは撮影監督。映像を1から学びたかったので、TMS東京映画映像学校で学び始めた。1年制で、基礎技術の講義と数多くの現場で体験を踏むことで学んでいく。課題作品や擬似体験ではなく、実際の映画やドラマ、CMやMVの制作現場に参加する。「見学」ではなく、指示を受けながら作業をする。ギャラも支払われる。それが、他の映画映像専門学校と大きく異なるところだ。参加することで覚えてもらえて、プロとの人脈と実績を得ることができる。

だけど、撮影現場に、取材じゃなく、見学でもなく、スタッフとして参加するって、いったいどんなものなんだろう? いまいちイメージがわかなくて、池田さんが現場に行ったときの話を聞いてみる。

池田さんが、講師で現役カメラマンに付いて最初に行ったのが、マクドナルドのハッピーセットのCM撮影。プロのカメラマンによるワンカットワンカットに迫力があり、その所作のカッコよさにとときめいたという。

「『何かやることないですか?』と。とにかくいろんなこと手伝いながら、機材周りについて教えてもらいました。初めての現場は緊張したけど楽しかった」

Netflixのドラマ『First Love 初恋』の現場にインターンとして参加した時は、

「全キャストが来られたんですけど、女優さんのお顔が小さくてきれいで……まぶしくて見られなかったです(笑)」

卒業を前に、機材レンタルが中心で撮影部のある『小輝日文』に就職が決まった。

「しっかり教育されて、でも自分の個性はしっかり伸ばしてもらえてよかった。クリエイティブ性のみを追求するタイプの学校もあるけど、ぼくはクリエイターというよりは職人になりたかったから」

と語る池田さん。職人あっての作品、職人なしでは、世の中のもの何一つできない。

「撮るだけじゃなく構成も考えられるようになって、いつか映画を一本撮れるカメラマンになりたい。日常会話くらいだけど英語はできるので、いつかは海外で映画を撮りたいです!」

照れ笑いしながらも本気度つよめの夢を語る顔が、現場で実習を重ねた自信と期待に輝く。

ドキュメンタリーからドラマでメッセージが伝えられたら

「映像を仕事にしたい」という目標を叶えた、ディレクター志望の大間知あかねさん

池田さんのクラスメイト、大間知(おおまち)あかねさん(23歳)は、大学で就職時期を迎えた時、「映像を仕事にしたい」と思った。

「9年くらい演劇をやっていたんですけど、映像はそれまで勉強したことがなくて。1から勉強しなきゃ、しっかり現場に行って、いろんな職種を体験してみたい、と」

企業の依頼によりSNSにあげる映像の撮影など、数えきれないほどの現場を体験した。印象的だったのが、1カ月間のロケで携わった「ミール部」つまり「食事担当」。AppleTVのドラマロケの間、スタッフの食事・飲み物を用意する。

「スタッフさんの数が多いので、顔と名前を覚えて、この方はこれが好き、と覚えるのが大変で。チーフは現場が忙しくて、まとまって研修の時間は取れないんですけど、仕事をしながら『これはこうだよ』と教えてくださって、だんだんと慣れていきました。最初はたくさんやらかしましたけど(笑)」

ドキュメンタリー作品が好きでディレクターを志望、ノンフィクションを得意とする『テレコムスタッフ』に入社が決まっている。

「まずはノンフィクションの演出方法をしっかり自分のものにしたい。そしてノンフィクションのための取材をしていくうちに作りたい物語も見えてくるかもしれない、と思うんです。作りたいストーリーが浮かんだら、企画を立てて作品を撮りたい。メッセージ性のあるものって、ストーリーがある方が、時には報道よりも感情を動かし共感を呼ぶこともあると思うから」

そういう思いを具現化するために、現役の講師の方が見せるオペレーションに学び、実施を重ねてつかんできたのだろう。

「ここまで現場の数をこなしてる学生はなかなか見ないと面接で言われたので、そこが大きかったと思います」

現場でつかむ実績は、想像を遥かに超えて、大きく貴重、そして強力。

「好きだったらがんばれると思う。好きじゃなかったら厳しい。現場を見せてもらって『これがプロのやり方なんだ』って感じた」と振り返る池田さん。「イメージと、実際働くのは結構違う部分がある、でもやってみないとそれってわからないですね」と話す大間知さん。映像の専門学校は2年制が多いので、『1年』で学べるということも魅力だったそう。「週5日の授業で正直遊ぶ暇はない、ずっとフル稼働ですけど、その分、密な時間で質の高い勉強ができたと感じます」

全然違う夢を持て余している身としても、すごく元気がわいた。やりたいことを見つけて、歩んでいるステップの一つ一つが具体的に見えると、こんなにわくわくするんだなあ、と。
やりたいことのために、すべてをかけてみる「密な1年」。
いつか(そう遠くない未来に)、彼らの名前をクレジットロールで見るのがとても楽しみだ。

制作=キネマ旬報社

 

今回取材にご協力頂いた「TMS 東京映画映像学校」の詳細はこちら

▶「TMS 東京映画映像学校」公式HP

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