エマ、愛の罠

えまあいのわな EMA
上映日
2020年10月2日

製作国
チリ

上映時間
107分

ジャンル
エロス サスペンス・ミステリー

ここが見どころ

南米チリを代表する映画監督パブロ・ララインが贈る衝撃のドラマ。放火事件を起こした7歳の養子を児童福祉局に返す羽目になったダンサーのエマ。それがきっかけで夫との結婚生活も破綻し、絶望に沈んだ彼女は、ある思惑を秘めて女性弁護士に接近する……。出演は、ラライン自身が発掘し、本作が映画初主演となるマリアーナ・ディ・ジローラモ、「ネルーダ 大いなる愛の逃亡者」などでもララインと組んだガエル・ガルシア・ベルナル。

映画専門家レビュー

  • 映画評論家

    小野寺系

    スペイン語圏から世界的な人気となった、ラテン音楽とヒップホップを融合した“レゲトン”。セクシャルな歌詞やダンスで、一部アーティストが批判の的ともなったが、そんな鮮烈でセンセーショナルな音楽ジャンルを一人の女性として擬人化させるというのが、本作の試みであろう。とはいえ、それが劇中の複数のパートナーとの性行為や破壊行為に代表されるように、良識や法治に反旗を翻すものとして位置づけるのは、痛快な部分がある一方で、一面的な見方であるようにも思えた。

  • 映画評論家

    きさらぎ尚

    試されているとは言い過ぎかもしれないが、ラライン監督の作品を見る楽しみは、物語の複雑さと予測を裏切られる快感。冒頭の信号機が燃えるショットの美しさに引き込まれた今回も、楽しみが削がれることはない。火炎放射器を持って立っているヒロインは放火魔か? を手始めに、大衆的な芸術を認めない夫に対して、あらゆる大衆文化を受け入れ、時に不道徳なまでの性的な奔放さをエマに発揮させる。その分、話を詰め込み過ぎて多焦点の感はあるが、通念に凝り固まった思考はほぐれる。

  • 映画監督、脚本家

    城定秀夫

    エマの狂気の原動力といえる子どもへの愛情を裏付ける具体的な描写がすっぽりと抜け落ちており、そもそも実子ではなく敢えて養子設定にしていることも含め、良くも悪くもこの部分が映画を異色方向に牽引しているような気がするも、劇中のコンテンポラリーダンスと音楽は文句なしの素晴らしさだし、倫理などクソくらえなエマの破壊的ファムファタルキャラに力負けしていない演出もザラついた雰囲気を貫き通してすこぶるカッコよく、今まで馴染みのなかったチリ映画への興味が沸いた。

「エマ、愛の罠」のストーリー

若きダンサーのエマ(マリアーナ・ディ・ジローラモ)は、後悔の念に苛まれていた。かつて、養子として引き取ったコロンビア移民の7歳の少年ポロが放火事件を起こし、彼を児童福祉局に返す羽目になったのだ。当時のエマは母親として未熟だったが、今ではポロを心から愛おしく想い、もう一度やり直したいと願っていた。しかし、その願いは叶わず、所属するダンス・カンパニーの振付師である夫ガストン(ガエル・ガルシア・ベルナル)ともポロを巡る口論が絶えず、夫婦仲は険悪になっていた。さらにこの一件は、勤務先の小学校でも問題視され、エマは退職に追い込まれる。ついにガストンとの結婚生活が破綻したエマは、ダンサー仲間の家に身を寄せ、唯一の心のよりどころである情熱的なレゲトンダンスのリズムに身を委ねていく。そんなある日、エマは中年の女性弁護士ラケル(パオラ・ジャンニーニ)のオフィスを訪れる。表向きはガストンとの離婚調停の相談に乗ってもらうためだったが、エマは別の思惑を心に秘めていた。さらに、ダンサー仲間の協力を得て火炎放射器を入手したエマは、真夜中の市街地で車を炎上させる騒動を起こす。現場に駆けつけた実直な消防士アニバル(サンティアゴ・カブレラ)は、ラケルの夫だった。その後もラケルと親密さを深めながら、アニバルをも誘惑したエマは、2人の心のすき間に巧みに分け入り、妖しい魅力で彼らを虜にしていく。さらに、他の男性との交際を仄めかし、エマに未練を残す別居中のガストンの嫉妬心を煽り立てる。ラケル、アニバル、ガストンの間を彷徨い、悪女のように3人を手玉に取るエマ。だが彼女には、綿密に練り上げたある計画があった。その仕上げとして、ポロが通う小学校にダンス教師として潜り込むエマ。その先に待ち受けるのは破滅か、それとも希望か。かけがえのない愛を取り戻し、未来を切り開くため、エマが仕掛けた“罠”が迎える驚愕の結末とは……。

「エマ、愛の罠」の映像

「エマ、愛の罠」の写真

「エマ、愛の罠」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「エマ、愛の罠」のスペック

基本情報
ジャンル エロス サスペンス・ミステリー
製作国 チリ
製作年 2019
公開年月日 2020年10月2日
上映時間 107分
製作会社 Fabula
配給 シンカ(提供:シンカ=パピネット)
レイティング R-15
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
音量 5.1ch
公式サイト http://synca.jp/ema
コピーライト (C) Fabula, Santiago de Chile, 2019

「エマ、愛の罠」のみんなのレビュー

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映画専門家レビュー

今日は映画何の日?

NEW今日誕生日の映画人 6/25

リンダ・カーデリーニ(1975)

カポネ

実話に基づき、伝説のギャング、アル・カポネの最晩年を描いたドラマ。1940年代半ば。長い服役生活を終え、フロリダの大邸宅で家族や友人たちに囲まれ、静かに隠居生活を送るカポネ。だが、そんな彼をFBIはいまだに危険視し、監視を続けていたが……。出演は「マッドマックス 怒りのデス・ロード」のトム・ハーディ、「ハウス・ジャック・ビルト」のマット・ディロン、『ツイン・ピークス The Return』のカイル・マクラクラン。監督・脚本は「クロニクル」のジョシュ・トランク。

ラ・ヨローナ 泣く女

「死霊館」シリーズの生みの親ジェームズ・ワン製作の下、中南米に伝わる怪談を映画化。1970年代のロサンゼルス。不可解な死を遂げた子どもの母親の警告を無視したソーシャルワーカーのアンナは、自分の子どもたちと共に恐ろしい怪現象に遭遇する……。出演は「ハンターキラー 潜航せよ」のリンダ・カデリーニ、「アナベル 死霊館の人形」のトニー・アメンドーラ。
牛原千恵(1966)

ひめゆりの塔(1982)

太平洋戦争末期、全島が戦場と化した沖縄で、ひめゆり部隊と呼ばれ陸軍病院に配属された乙女たちのはかない青春を描く。28年ぶりの再映画化は脚本・水木洋子、監督・今井正と同じコンビ。前作では果たせなかった沖縄現地ロケを行ない、撮影は「裸の大将放浪記」の原一民が担当。

ゆき

天界からやってきた少女ゆきが、弱い百姓と共に戦う姿を描く。斎藤隆介の原作のアニメーションで脚本は宮崎晃、監督は「あにいもうと(1976)」の今井正がそれぞれ担当。

NEW今日命日の映画人 6/25

ラウ・カーリョン(2013)

セブンソード

武侠映画の第一人者ツイ・ハーク監督が、中国、香港、台湾の人気俳優を起用し壮大なスケールで描くアクション巨編。中国を代表する武侠小説の大家、リャン・ユーシェンの『七剣下天山』に基づき、清軍の蛮行を阻止するため立ち上がる7人の剣士の活躍を描く。出演は、香港四天王のレオン・ライ、「HERO」のドニー・イェン、「香港国際警察/NEW POLICE STORY」のチャーリー・ヤン他。

ペディキャブ・ドライバー

40年代のマカオを舞台に、ペディキャブ(自転車で引く人力車)の車夫が、恋に喧嘩に大活躍するアクションもの。監督・製作・主演の3役をこなしたのは「五福星」シリーズなど諸作で知られるサモ・ハン・キンポーで、彼の80年代の活動における集大成というべき一編。脚本は「ハードボイルド 新・男たちの挽歌」のバリー・ウォン(王晶とは別人)と「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」のユェン・カイチー、音楽は「誰かがあなたを愛している」のローウェル・ロー(助演も)、美術は「恋する惑星」のウィリアム・チョン。共演は「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・チャイナ」シリーズのモク・シウチョン(マックス・モク)、「スウォーズマン/女神伝説の章」のファニー・ユン、「ツイン・ドラゴン」のニナ・リー、「山中傅奇」「空山霊雨」のスン・ユエなど。また、サモ・ハンの人脈を反映して、「霊幻導士」シリーズのラム・チェンイン、「酔拳2」のラウ・カーリョンたちがカメオ出演している。別邦題「帰って来たデブゴン 昇龍拳」。