- 手に汗握る
- 感動的な
- 怖い
- おしゃれな
- 泣ける
- 可愛い
- 笑える
- 重厚感のある
- かっこいい
- ほのぼのとした
- セクシーな
- スカッとする
- 親子で楽しめそう
- 考えさせられる
ここが見どころ
「東京喰種 トーキョーグール」シリーズの窪田正孝がボクサー役で主演した、三池崇史監督初のラブストーリー。余命いくばくもないことが判明したプロボクサーの葛城レオは、悪徳刑事・大伴に追われた少女・モニカを助けたことから、人生の歯車が狂い始める。病が見つかり自暴自棄になった天才ボクサー・葛城レオを窪田正孝が、孤独な少女モニカを「ファンシー」の小西桜子が演じる。第72回カンヌ国際映画祭監督週間選出作品。日本公開に先駆け、2019年9月27日より全米公開された。
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映画専門家レビュー
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映画評論家
佐野享
三池崇史監督の原点回帰を企図して好きなものを好きなように撮らせた結果、(少なくとも2010年代以降ではぶっちぎりの)最高傑作ができてしまった。寡黙なボクサー、仁義に厚い武闘派ヤクザ、知略家と思いきや間抜けな組織の裏切り者、暴走するキレ女といったステレオタイプ的なキャラクターが、三池作品が時に陥りがちな極端な戯画化演出の一歩手前で役者の身体性と融合し、すこぶる魅力的に躍動する。恋愛ならぬ共生のドラマとしても誠実で、優しいラストカットに思わず涙。
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映画評論家
福間健二
二〇年前に出ていれば大傑作。まずそう思ったが、いまこれをやれるのもすごい。活劇映画のヴァイオレンス、どうするか。三池監督と脚本の中村雅は最後の抜け道に出る「恋」をつかまえた。鮮度ベスト3は染谷将太、窪田正孝、そして宣伝で冷遇される藤岡麻美。シーンでも、染谷が何度も危機を逃れるところ。ヒロイン小西桜子が「生きてみる」となるのも、古い内野聖陽が詩的に救われるのも、オマケ以上。二時間を切る尺にこの詰め方。タランティーノの近作を褒めた人、どうする。
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映画評論家
川口敦子
開巻直後にごろりと転がる人の頭部。どこが「さらば、バイオレンス」?! と戸惑う観客の胸ぐらを摑んでパルプなTOKYOノワールへ、暴力と笑いがきれきれに連なる一夜の狂騒へと引きずり込む。その凶暴な切れ味に三池印を刻むいっぽうでお務めを終えたやくざに黒社会の女刺客と、仁義をかざしてジャンルの規範を想起させる存在を輝かせ最初期タランティーノ映画とも通じる好ましさを召還する。昔気質へのそんな愛が「中国の鳥人」でこそ記憶したい監督+脚本コンビ最大の美点だろう。
「初恋(2020)」のストーリー
様々な事情を抱えた人が流れ込む欲望の街・新宿歌舞伎町。プロボクサーの葛城レオ(窪田正孝)は天涯孤独ながら希有な才能を持っているが、負けるはずのない相手との試合でKO負けを喫してしまう。試合後の診察の結果、レオは病に冒され余命いくばくもないことが判明。自棄になり気もそぞろに繁華街を歩いていたところ、少女モニカ(小西桜子)が男に追われているところに出くわし、ただ事ではないと察したレオは条件反射で男を殴り倒した。気を失った男のポケットには警察手帳があり、それを懐へ。モニカは親の虐待から逃れるように街へ流れつき、ヤクザに囚われていたことを話しはじめる。レオが殴り倒した男は大伴(大森南朋)といい、ヤクザの加瀬(染谷将太)と裏で手を組み、ヤクザの資金源となるブツを横取りしようと画策し、モニカを見張っていた悪徳刑事だった。ヤクザと大伴から追われる羽目になったレオだったが、モニカと自らの境遇が重なるところがあり、どうせ短い命ならと彼女を救う決意をする。一方、モニカと共に資金源となるブツが消え、ヤクザの一員・ヤス(三浦貴大)が殺されたことを恋人のジュリ(ベッキー)から知らされた組員一同は、組長代行(塩見三省)のもとで一触即発の様相に。一連の事件をチャイニーズマフィアの仕業だと踏んだ組随一の武闘派・権藤(内野聖陽)が組の核弾頭・市川(村上淳)と共に復讐を決意し、ジュリも後を追っていく。ヤクザ、チャイニーズマフィア、悪徳刑事と、ならず者たちの争いに巻き込まれた孤独なレオとモニカの行きつく先は……。
「初恋(2020)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 任侠・アウトロー ラブロマンス バイオレンス ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2020 |
公開年月日 | 2020年2月28日 |
上映時間 | 115分 |
製作会社 | 「初恋」製作委員会 (制作プロダクション:OLM/ 制作協力:楽映舎) |
配給 | 東映 |
レイティング | PG-12 |
公式サイト | https://hatsukoi-movie.jp/ |
コピーライト | (C)2020「初恋」製作委員会 |
映画専門家レビュー
今日は映画何の日?
NEW今日誕生日の映画人 3/2
- ダニエル・クレイグ(1968)
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ナイブズ・アウト 名探偵と刃の館の秘密
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マイ・サンシャイン
ロサンゼルス暴動に巻き込まれた家族を描くドラマ。1992年、LAサウスセントラル。家族と暮らせない子どもたちを育てているミリーと、彼女たちを見守る隣人オビー。ある日、黒人が犠牲になった事件に対し不当な判決が出たことから、LAで暴動が始まる。監督は、「裸足の季節」のデニズ・ガムゼ・エルギュヴェン。出演は、「チョコレート」のハル・ベリー、「007」シリーズのダニエル・クレイグ。
NEW今日命日の映画人 3/2
- セルジュ・ゲンズブール(1991)
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ノーコメント by ゲンスブール
音楽家、映画監督など多彩な顔を持つセルジュ・ゲンスブールが、自身の内面を語った録音テープを元に構成したドキュメンタリー。監督は、旧ソ連のトランペッター、エディ・ロズナーのドキュメンタリー「The Jazzman from the Gulag」でエミー賞を受賞したピエール・アンリ・サルファティ。 -
モード・イン・フランス
「ミスター・フリーダム」「ポリー・マグー お前はだれだ?」など、キッチュなアート系映画を作ったことでも知られる写真家ウィリアム・クライン。ヴォーグ誌のグラフィック・デザイナーとして活躍したクラインが80年代に製作した唯一の長編映画。